風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『共喰い』  剥き出しの強烈な人間も今では生りを潜めて・・

イメージ 1

原作を読み
『共喰い』 田中慎弥
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/61334510.html

映画版を鑑賞。
父と愛人と暮らす遠馬
父の暴力的な性に嫌悪しながらも
同じように暴力的な行為を行ってしまうー。

原作とほぼ同じ展開でしたが
映像となると街を覆う澱んだ空気
投棄されたゴミのある汚れた川の流れ
何とも暗く宿命的な重さが
映像によってより深くドーンと迫って来ました。

昔って川に投棄されたり
ヘドロ化した砂もあり
多少臭ったりしてましたが
現在は浄化されて
昔を想像出来ないように何事もなく流れてます。

この話って川に限らず
性や暴力も表面の体裁は取り繕って
現代は何事もないようにスマートに暮らしてる気がしないですか?

剥き出しの強烈な人間も今では生りを潜めて・・
人の内部で沸々とし発酵する何か・・

この親子の宿命のように
闇の世界は人の心に存在するんですよね。

おぞましくも重い話ではありますが
千草が遠馬の母親の店で働いてる姿が救いだったなぁー