風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『国家の品格』 藤原正彦

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ベストセラーになったこの本の構成は
第1章 近代的合理精神の限界
第2章 「論理」だけでは世界が破綻する
第3章 自由、平等、民主主義を疑う
第4章 「情緒」と「形」の国、日本
第5章 「武士道精神」の復活を
第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第7章 国家の品格

って目次でした
ここで興味深い所が
数年前に書かれた本なのに
金融取引のレバレッジの危険性について書かれてましたが
まさに作者の警告通り崩壊した分けですよね。
その後の予言も見事に見通してる
先見の明には感服しました。
もっとも印象深いのが合理主義=正義とは限らないと言う点
この所、合理=正義としての認識が浸透して
会社だけではなく生き方も合理的な生き方が
賢いとなってる風潮がありますよね。
国家の品格について書かれてますが
個人の生き方も品格を持つ事が尊いって考えに行き着かないと
世知辛い世の中になりそうです。
処方箋として日本的な考えが世界を救うとありましたが
私も同感です。
一神教による正義はそれ以外を悪とみなす考えでは
世界の争いはなくならないでしょう
八百万の神と自然に跪く生き方こそ
世界に大事なロジックではないでしょうか?
歴史に学ばないと学者の言葉があるそうですが
明日に生きる知恵の詰まったこの本
中々のものだと思いますけどね。
現実は受け入れられない社会だけど
これから先にこういう本が受け入れられる土壌がないと
日本的な経済や社会の復活は難しいだろうなぁ。
昨年最後に読んだ本に相応しい内容でした。