風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『エデン』 近藤史恵

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今年もツール・ド・フランスが始まる。
この「エデン」は「サクリファイス」の続編で舞台をツールに移しての物語。
ステージレースの奥深さに魅せられる。
自転車レースの最高峰で勝つためには体力だけじゃなく
チーム同士の駆け引き、アシストの誇りや使命エースの苦悩
ライバル関係、監督の采配、若手の希望、追う者と追われる者
ナショナリズム、スポンサーの意向、ドーピング、若さ、老い・・
過去や未来、観客の夢や希望を背負って走る・・。
コースは3500kmにもおよび
ピレネーやアルプスを超えるコースから
平坦、TTなどを20日間も走る
天候も移り変わるしメカトラブルもある
パンクなどのアクシデントや一回の落車で全てを失う事もある
人間の可能性を問われるレースなんですよね。
そう言えば・・若さよりも経験値が物を言う世界だと記述してあったなぁ・・。
マイヨの袖を通すことはその後の人生を変えると言われるほどの栄誉。
そんなツールに思いを馳せる日々の戦いを描いた
この作品の中に浸って読んでると心は楽園だったなぁ・・
この世界一過酷な楽園が今年も始まる・・。