風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』 保坂和志

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ユニークなタイトルに引かれて・・読んでみました。
同じテーマが折り重なってて連載で腑に落ちなかったのかなぁ?
読んで考えるエッセイ集。

ページ数の少ない本なんですが濃い中身で
あるテーマについて咀嚼し消化するまで考えるって新鮮だったな。

引用するとこんな感じで・・
「芸術というのはつねに何かを心に留めて
結論に安易に逃げ込まずに心を宙吊り状態にしたまま
世界に対して注意を払いつづける人にしか働きかけない。
そこで語られる言葉は、たくさんの人に通じる類いの、
科学的思考の中でも最も大ざっぱな思考を基盤としている
日常的思考様式で語られる言葉ではない」
とか・・
「芸術をやる人間が、誰か一人からの「それでいい」という言葉に出会うのは
一瞬だけのことで、「それでいい」に出会うまでの何年間も出会った以後の
何十年間も、芸術をやる人間は人からの許可などに依存せず
一人で自問自答と試行錯誤を繰り返すしかない。」

本文にあり共感した部分。
小説を書き続ける動機について・・

「・・・小説を書くという行為を通じて何かを考えたいからだ。
そして、できなら人間の考えるという営みに関わりたい。」

なるほど、この本を象徴したような一文。
私も何かにつけて書き考える。
このブログもそうかなぁ
映画を見て”フト”考える・・。
本を読んで考える・・。
考えてる間にブログに書くことなくお蔵入りって本も多いけど

心に小骨が刺さったような引っ掛かり・・
気持ちの整理が出来ないことにモヤモヤ・・
「あぁぁー」そうかって何かしらの解に行き着いた時のカタルシス

考えるっていいですねぇ
心地よい状態を考える
幸福を考える
明日をなんとなく考える・・・。
多くのことを考えることが
血となり肉となり
自分を明日へと繋ぐような気がします。