風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『石原莞爾―生涯とその時代〈上〉』 阿部 博行

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大戦の中心人物として名を残す軍人
石原莞爾の思想と行動迫る。

大戦後数十年が経ちますが
未だに思想や文化、政治や個人にも影響の残る敗戦の傷跡。
戦争に至る中心人物の一人である石原莞爾とはどんな人物なのか?
興味があり読んでみました。

満州事変の首謀者である石原莞爾
陸軍の学生である時代から異色であり
主流からは外されてたようですが
頭脳明晰で思想家としても予見者としても秀でた人間だったみたい。 

良くも悪くも異色の人間が閉塞感のある世界を打破し
新たな時代を構築するものですが
国家の運命を揺るがして動き出した時代と言う
大河は意図しない流れにもなるものだなぁと感じる。


元々中国との戦争は早期解決し
ソ連との戦争に備えるべきだと考える石原と拡大路線へ進む軍首脳。

来るべき最終戦争論ではアメリカとの最終戦争を念頭に置いていたようだし
時代を読む力と満州を理想国家を作り上げる思想と
現実の世界の流れは止められないものなんだなぁ・。 
 
これを人は運命と言うのかも知れないが
国家の運命を握る男は時代の波に呑まれたのだろうか? 

上巻ではここまででしたが
意図しない流れを察知してる石原
もしを考えてしまう。
国家の鍵を握る男の生き様から目が離せない。