風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『永遠の0』百田尚樹

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0とは零戦のゼロであり
孫が特攻で亡くなったおじいさんを調べる中で明らかになる秘密の話。
調査する中でそれぞれの視点と現代の価値観が交差して
輪郭を現す愛と言われるもの・・。
構成が巧みで戦史に忠実、ミステリー的な要素もあって440Pはあっと言う間でした。
戦争を語る時にステレオタイプ反戦平和主義が多いけれども
戦中の彼らも我々と同じ人間であり喜んで死を選んだわけではない。
苦悩し嫌悪や恐れを受け入れ克服し自ら旅立つ彼らの思いはどこにあったのか?
自分を超えた大きな愛を信じたそれらの幸せを願ったからこそ
彼らはそれを受け入れ乗り越える力を得たんではないでしょうか?
私が以前、訪れたことのある江田島などの資料館に残された遺書を読んだ時
表面的には清々しく勇ましい言葉に埋め尽くされた遺書の行間には
迸るぐらいの愛に満ちた思いが込められていました。
本文にあった言葉ですが・・
「・・愛する家族にはその気持ちはわかる。
なぜなら、多くの遺書には、愛する者に対する限りない思いが綴られてるからだ・・」
その思いを感じる時、何度も涙が毀れそうになりました。
読み終えたとき、きっと何かが変わる。
そんな本でした。