「サクリファイス」シリーズの最新作となる四作目。
大学自転車部を舞台に新たな展開と主人公も新たな人物、正樹。
彼らの人生が疾走する・・。
このシリーズに外れなしに面白い。
自転車乗りならば誰もが共感するだろう走る描写と心理状況。
走るシーンも確りと描かれてて
登場人物の呼吸や心拍をも感じるほどに引き込まれます。
引き込まれるのはディテールだけじゃなく話もいいんですよね。
登場人物が個性豊かで同じレースや自転車を通しながらも
それぞれの抱え引き摺った人生の負荷や宿命においても
彼らがモガキながらも登る坂やレースはまるで
普遍的な人生そのものとして話は推移して興味深く共感。
人生や自転車と同じく走り続けることの意味とは何なのか?
「走ることが祈ることであるかのように…。」って文章があるんですが
ラストでは走ることが崇高で神々しいような行為に昇華してます。
私も自転車で走るんですが
走ることで心が救われたことなんて数え切れないぐらいあるけども
救われる為に走るのか?って言うとそうじゃないんですよね
それは単純に楽しいからなんだ。
爽快感と達成感による多幸感が心が満たす時が忘れられないからかな。
ちなみに題名の”キアズマ”とは染色体の交換が起こった部位を言うそうですが
人生と同じく走り続け感じること
そこには”キアズマ”があるのかも知れないですね。
ちなみに・・・。
前三作のレビュー
「サクリファイス」のレビュー
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/59281927.html
「エデン」のレビュー
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/59574453.html
『サヴァイブ』のレビュー
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/60904721.html