風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『愛に乱暴』 吉田修一

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夫が愛人をつくって離婚を言い出し結婚生活に暗雲が・・
嘗ては妻である桃子も愛人をして略奪婚をしたのたが・・。

話をより巧みに浮かび上がらせるのが
この凝った構成にあるんですよね。
途中まで相手の愛人の日記かと思えば・・
桃子自身の過去の日記と現在の進行で
見事に今の心理描写と過去の心理を対比しながら
時の経過を表現しつつ心理を浮き彫りにする
吉田修一恐るべし作家だと感心すること仕切でした。

現実の世界ってものは偶然で奇怪的なもの
略奪婚すると略奪婚されるとか・・。
小説のように実際あるんですよね。

だらしない男が悪いのは間違いないけど
引き寄せる女も一端ありそうだよね
心の隙間と言うものが原因なのか何なのか?
相手にあるものなのか?
肯定は出来ないけども
そうなっちゃう人の心の間とか弱さとかさってあるよね。

桃子の求めるものは何なのか?
シンプルなんですが
必要とされ愛されるってことなんだろうな。

一言でいい表せない複雑な感情を
この作品全体で見事に表現されてると思うんですよね。

吉田修一の他の作品も読まないとなぁー
全部読みたい力量のある作家。