毎年ドラスティックな展開のレースにカリスマの選手復活。
黒い噂のあるカリスマやそれぞれに背負った使命
思惑が交錯し選手をつけ狙う影、不穏なレースの行方は・・?
白石と伊庭がツールを走る「サクリファイス」シリーズ最新作。
私もツールのファンで毎年このレースをTV観戦してるのですが
トップ選手が1ヵ月3000km走れば毎年ドラマが生まれますよね。
よくレースや歴史を研究された作品で
選手の設定もモデルとなってる選手とイメージが被りイメージが膨らむ。
現実と平行世界は事実ではないフィクションでありながらも
本当な裏話ではないかとすら思えるぐらい話に浸るのも悪くないですね。
世界一過酷な自転車レースと共にミステリーも楽しめる
選手の日常のシーンも魅力的で自転車の世界がまた広がり満喫。
作者の近藤史恵さんも自転車に乗られるようで
自転車に乗ってる感覚や表現が素敵で共感と心に入って来ます。
例えば、ページ31にあった部分。
「走ってる時は頭が透明になる気がする
なにも考えなくなるのではない、いろんな考えが、風のように吹き抜けて通り過ぎる
・・・忘れていた記憶が蘇る
まるで走ってるときだけ、現実や不安から自由になれるかのようだ」
途中の文章を端折りましたが
この感覚は自転車乗り”あるある”
読み終えて、今年のツールに想いを馳せる
世界が広がる本でした。
ちなみに・・・。
前4作のレビュー
「サクリファイス」
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/59281927.html
「エデン」
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/59574453.html
『サヴァイブ』
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/60904721.html
『キアズマ』
https://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/62235369.html