風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『のぼうの城』 和田竜

イメージ 1

主人公の成田長親は「でくのぼう」に様をつけられ「のぼう様」と呼ばれてる・・
そんな「のぼう様」が秀吉の北条氏討伐で唯一落ちなかった忍城の攻城戦のお話で
のぼう様だけではなく家臣、敵の三成も活き活きとキャラクターが描かれてて
痛快で映像が浮かぶような話の流れ
調べたらこの作者、シナリオを書かれてる人なんですね
なるほど映像がイメージし易いわけだな。
なぜ、こののぼう様は人気を博すのか?
何だか分かるんですよね。
小手先の能力に長けた人間は数多いけども
人の心を掴む大局観を持った人間がどれだけ居て
それが世間に認知されてるのか?
この事って配下の人の裏返しだと思っています。
現代に例えるならば・・
選挙民と政治家の関係がそれに当たると思うんですよね。
選ぶ人間の思考が政治家を選んでるから
その民度=政治じゃないかな。
さて、そんなのぼう様がもっとも立派な決断を下したシーンがよかったなぁ
『強き者が強きを呼んで果てしなく強さを増していく一方で
弱き者は際限なく虐げられ、踏みつけにされ、一片の誇りを持つことさえも許されない。
小才のきく者だけがくるくると回る頭でうまく立ち回り人がましい顔で幅をきかす。
ならば無能で、人が良く、愚直なだけが取り柄の者は、踏み台となったまま死ねというのか。
それが世の習いと申すなら、このわしは許さん』
私ものぼう様のように、利益や力ではなく
人に慕われて仕事も趣味もやりたい。
心から通じるってことは
小手先の何かではなく
深い心からのものなんですよね。
そんな心からのものを慈しみ育てたい。