風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『二百三高地』

イメージ 1

日露戦争最大の命運が全て掛かっていた激戦地二百三高地の攻防戦
徴兵された兵士達の運命を描く。さだまさしの「防人の歌」が印象的

当時の大国は植民地政策、南下するロシアと日本の衝突
日露戦争に負けていれば、朝鮮はロシアの植民地だろうし
日本もロシアに占領され共産主義国家に成っていたかもしれない。
この二百三高地はロシアの極東最重要拠点である旅巡口を眼下に眺め
砲撃出来る場所であり、この戦の命運が全て掛かっていた。

戦争がいいか悪いかなんて選択もない当時の情勢であり
戦うしかない徴兵された個人の兵隊のそれぞれの事情
子供を残して来た兵、豆腐屋だった兵、ロシアを敬愛する元教師の下士官
それを待つ家族や恋人は挿入歌の歌詞のように無残に逝ってしまう。

「・・おしえてください  
 この世に生きとし生けるものの  
 すべての生命に限りがあるのならば  
 海は死にますか 山は死にますか  
 春は死にますか 秋は死にますか  
 愛は死にますか 心は死にますか  
 私の大切な故郷もみんな  
 逝ってしまいますか・・・」  

悲劇はいつの時代も繰り返される。
しかしながら個人の幸福や命を落としてまでも
彼らがやり遂げたかった思いとは何か?
死体が埋め尽くされた大地を登り勝利すること
せめぎ合う生と死の狭間で見た明日。

それは先人の守ってくれた掛け替えのない現代の暮らしなのかもしれないね
英霊となった彼らは今の世をどう感じてるのだろうか?
我々の暮らしはそうした先人の苦労や尊い犠牲の上に成り立つものであると
時に振り返り感謝の意を表したい。

ラストシーンの乃木の報告に胸が熱くなる映画。


余談ですが・・
最近のアルバム
長渕剛の「愛しき死者たちよ」って歌の詞も映画に嵌る。
「・・・100年かけても眠るんじゃないぞ
無言の痛みと無念の怒りたちで
貧弱な俺たちの胸を叩き続けてくれ・・」

ナショナリズムが台頭しそうな空気ですが
何が最善の選択なのか?
思考することなしに未来は開けない。
スルーはNGですよね。