風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『黒部の太陽』 何をなすことが己の使命なのか?を問う生き様に心に響く

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黒部川上流に第4発電所を建設するべく社運をかけて北川はダム建設に取り組むことになる。
父親に代わってトンネル掘りの指揮をとることになった設計技師の岩岡
二人を軸に多くの関係者の想いと意地の難工事は・・。

高度成長期の日本、エネルギー問題が大課題となってる社会情勢
関西電力黒四ダム工事は難工事であるが待ったなしの世情と
工事を進める男の職人としての誇り、トンネル掘士達のプライド
それを見守り影で支える家族の生き様を見事に織り込んでますね。

この難事業は書籍やTV番組「プロジェクトX
ドキュメントとして多く語り継がれる事業ですが
このスケールと家族の物語を演じる
石原裕次郎三船敏郎の勝るとも劣らない存在感が無ければ
映画として成立しなかったのかもしれないなぁー。

調べると・・
1968年当時破格の3億9千万
現在に換算すると13億2千万超の巨費が投じられたそうで予算も破格。

CGの無い時代に
破砕帯にぶち当たり
水が噴出し崩れるトンネル
トンネル内の発破シーン
どれも緊張感と危機感の連続これも見事。

昭和三十八年三月、黒四ダムは多数の犠牲を出して完成し
北川の停年退職となるのですが
ダムの完成に感動を覚える北川のシーンと同じ気持ちになるなぁー

仕事を絶対的な宿命のように受け入れる男の存在。
この日本の誇れる魂ってものが
現代を支える土台になってるのは間違いない。
この男達の物語に胸が熱くなる秀作です。