風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『舞鶴に散る桜―進駐軍と日系アメリカ情報兵の秘密』 細川 呉港

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第二次世界大戦中に米情報部隊(MIS)に所属した日系2世の足跡と
舞鶴の丘の上に植えた桜の謎。
歴史に埋もれた秘話を追うドキュメンタリー

細川呉港(ほそかわ ごこう)さん
呉の港と書いて呉港さんの名前が目に留まり読みました。
やはり呉の御出身だそうです。

さて、内容ですが
激動の時代、戦争で大きく変わるそれぞれの人生
兵士や民衆って視点はよくありますが
アメリカに暮らす日系人で米兵として
親の暮す日本を間接的にも攻撃することになり
美しい国と聞いて育った彼には想像を超えるようなドラスティックなものとなる。

日系人の日本へ敬意と焼け野原になり敗戦国となる現実は読み応えありました。

目次を紹介すると

序章 舞鶴の丘に新しい桜を植える
第1章 真珠湾に落ちたゼロ戦(私の故郷;敗戦国のプライド ほか)
第2章 進駐軍舞鶴 日系アメリカ情報部隊MISとCIC進駐軍日本上陸;フジオ高木、両親に再会 ほか)
第3章 「かえり船」の港の見える丘(舞鶴の丘が桜の名所になる;「ハワイ日系二世をしのぶ友好平和のサクラ」の碑、建つ ほか)
第4章 フジオ高木はじめて死の淵に立つ(フジオ、除隊してカハラ・モールで;隠されていた来日の理由 ほか)
第5章 受け継がれる桜を植えた人の心(真珠湾攻撃五十周年と、リメンバー、パールハーバー;ついにフジオ高木、発見 ほか)


舞鶴に植えられた桜
そこに至るには時間を経ないと繋がらない多くの物語が存在するもので
時と人の想いの不思議な善意の物語を想像すると見えるものがある。


誰もが歴史の主人公だなってつくづく思う。