風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ブラフマンの埋葬』 小川洋子

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サンスクリット語で「謎」を意味する名前の
愛らしい謎の動物との心の交友
愛情の深まりには
何が必要なのかな
傍に存在する大切なものと静かに過ぎる日々が
美しい文章で綴られ淡く淡々と時は過ぎていきましたが・・
その先にある・・切なくも悲しい物語でした
舞台である古代の墓に残された空の石棺やそこに刻まれた言葉
 「死が喜んで生を助ける場所」とは
死は残された人の心に深く喪失感を齎しますが
丁寧に葬られる遺体への思いが生を支えるのだろうか?
今では空になってしまった石棺だが
思いは今もあの場所に思いを留めているのだろうなぁ
消える事のない温かさを残して・・・。