風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『楽園のカンヴァス』 原田マハ

イメージ 1

アンリ・ルソーの『夢』とほぼ同じ構図、同じタッチの作品
これははたして真っ赤な贋作か?それとも真作か?アートミステリー

以前、絵画や造形などを鑑賞することが好きで
美術館によく行ってました。
大作って何なんだろうか?
よく考えてましたが
『楽園のカンヴァス』にあった言葉を読んでハッとしたなぁ。

「人生に思いがけない啓示をもたらしてくれる。それが、
名画が名画たる所以なのだ。構図や、色彩やバランスや、技巧の秀逸さばかりではない

時代性、対象物への愛情、ひらめき、引きの強さ、言うに言われぬむずむずした感じ。

見るものの心を奪う決定的な何かが、絵のなかにあるか。
「目」「手」と「心」、この三つが揃ってるか。それが名画たらしめる決定的要素なのだ。」

そうだなぁ・・
絵といい音楽も映画も・・多くのものに
人生に齎す啓示は計り知れないものがありますよね
豊かさとは何か?人生とは何か?

ルソーに心奪われた日本人研究者の早川織絵と
ニューヨーク近代美術館学芸員ティム・ブラウンの真贋判定
面白いですねぇ
絵そものから描かれた背景を斟酌することって
より味わい深くなるものですもんね。
隠されたミステリーも相まって・・
きっとフリーのキュレーター(鑑定、研究職)をされてた原田マハさんならではですよね。

この”If”って面白かったな。

自分を取り巻くものって
表層的で軽薄な情報の渦の中だけど
確かな本物を見極める目
真贋判定出来る人間でありたい。
それは人生において真の豊かな心に繋がる深い理解が得られるんじゃないだろうか?