村上春樹さんが敬愛するスコット・フィッツジェラルドに関わるエッセイ8編と
スコット・フィッツジェラルド作品の翻訳が2編収められている。
『グレート・ギャツビー』は近代アメリカ文学の金字塔
『グレート・ギャツビー』が書かれたスコット・フィッツジェラルのド自身の背景。
セント・ポールから眠るロックヴィルの街へ
村上春樹が各地を訪ねる紀行と妻ゼルダの伝記もあり
中身の濃いレアな本だったなぁ。
当然ながら作品って著者の生き様が滲み出て重なり
自身の分身ではないか?と考えたり
二編の短編についても
「自立する娘」(On Your Own)
「リッチ・ボーイ(金持の青年)」(The Rich Boy)
当時のスコットの置かれた情勢と編集者の関係
困窮した経済状態とゼルダの病
その精神状態までを考慮すると作品をより深く感じ作品の頷ける。
彼自身が作品のような劇的な演者であるような錯覚
作家として源泉はそこにあるのか?
書くための命だったのではないか?
そうとしか思えない作家と言う職業。
静かなる想いは水面に浮かんだ波紋のように広がる。