風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『一人称単数』 村上 春樹

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一人称単数で語られる不思議でどこか少し心に引っ掛かる8編の短編集。
収録作
「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ
「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」「『ヤクルト・スワローズ詩集』」
「謝肉祭(Carnaval)」「品川猿の告白」「一人称単数」

一人称単数ってことは
村上さんの体験されたことなのだろうか?
どれも身近で短いお話しなのですが
どのお話しも、しばらく僅かな波紋が広がり収まらないような感覚は
流石の村上春樹さん作品。

自分の中に眠ってる多くのなぜが記憶から消えず
ふと蘇る不思議なシーンのことを考えてました。

あのレコードはあのポスター
どこかに行ってしまった小説。

失念した物語のラストを考えるように
確かにあったのに消えたものや
無いものなのに、ありありと思い出される数々のこと
不思議なものですね。

物語によって呼び起こされる気持ち
心揺さぶれる短編集。