風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ルーム』

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5歳の男の子ジャックと母ジョイはニックによって7年間も監禁された生活
そこからの未来は・・。
第40回トロント国際映画祭、観客賞を受賞
第88回アカデミー賞 主演女優賞作品。


ベースは本当にあった話みたいですが
日本でも誘拐して監禁してたって事件報道ってありましたよね。

産まれてから5歳の子供は外の世界を一切知らなく育ち
脱出の鍵を握る作戦で初めて見た外の世界への驚きは
想像を超えるものでしょうね。

最初に出会う女性警官の機転といい
僅かなチャンスで奇跡の生還
これでありがちな映画はエンディングなのでしょうが

この映画はそこからどうなのか?
社会復帰や家族の微妙な関係
その後の生活の苦悩を描き
リアル世界では事件解決で終わらない
人生が続くように先がありますもんね。

子供は被害者の母親と加害者の父を持つわけですし
孫を見る目も複雑だった親父さんや
マスコミに追われる被害者。

二次被害は人生に影を落とし
そして、何よりも貴重な青春を奪われた女性が
この社会でどう復帰するのか?
子供の人への怯えも当然であるし

あらゆる事件の先を考えると
報道も見る側もその側面を考え思いやりの気持ちがないと
我々も二次被害の加害者になりうる話ですよね。

そして救いはラスト
あの場所からの言葉。
ちょっと未来を期待できる印象的ないいシーンだったと思います。

報道される事件の先を考える
いい切っ掛けになりました。
人は人を想う想像力が必要なのだ。