風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

2022年 読んだ本:読書アワード

年末に映画アワードやってみましたが
今回は2022年、読書大賞!

 

昨年も振り返るといろんな本に出会ったもんです。
感謝と共におさらいします。

 

最も心動かされた最優秀から
【最優秀】は一番心を揺り動かされた作品を選ぶとー
『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ
生きて行くのに最も大事なことって何だろう?
きっと愛なんじゃないかな。
アンさんの言葉。
自分よりも人を大切に思う心は無償の気持ち
愛があれば何も必要ない。
 
【アクション賞】ダークな世界ページを捲るアクションを基準に
『テスカトリポカ』 佐藤究
圧倒的な暴力と残忍な人間の所業は限度を超えると神の世界。
偽りの世界が蔓延る世界
神はまだまだ生贄を欲しているのかも・・。
圧倒されたもうひとつの世界の存在。
 
【ドキュメント賞】現実の人の成功と苦悩に心揺さぶられた
『最後の角川春樹伊藤彰彦
人生の遍歴を読むことで心揺さぶられるって初めての経験。
プロディユースされたものに多大な影響を受け
てた事を初めて知る。ロングインタビューに感動
 
まだまだ称えたい作品はありますが
琥珀の夏』 辻村深月
『ミス・サンシャイン』 吉田修一
『わたしの美しい庭』 凪良ゆう
『正欲』朝井リョウ
君は月夜に光り輝く佐野徹夜
『星を掬う』 町田そのこ
印象に残ってるなぁ・・

以下はエントリー作品です。
2022年の本との出会いに大感謝。
 
『ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたち』ブレイディみかこ
英国のおっさん逞しく楽しく生きて行くおっさんの面白みを感じる。
オジパワーは世界で健在だ!

『私たち、まだ1回も人生を生き切っていないのに』 小林エリコ
死にたくなるような絶望の夜
生きてることでしか見れない風景
絶望の先にはきっと笑顔があると信じてみたくなる本。

『みとりねこ』 有川ひろ
どの猫も幸せになって欲しいって思うし
猫に関わる人の幸せをも願う
切ないけど、心には幸せで満たされたひと時が確かにある。
ほっこり、しっとりと・・ねこの居る幸せな風景っていいな。

 

『ポップス歌手の耐えられない軽さ』 桑田佳祐
文章も桑田節で綴られてて読んでる方もノリノリ。軽いギャグをかましながらも裏にある聞かせる話は、まさにサザンの楽曲を聴いてるようなノリ。


『ふちなしのかがみ』 辻村深月
見事な結末にゾクゾクと震え出す。
やはり幽霊よりも現実の人間は怖いってことでしょうね。いろんな殺人や事件はなくならないものですもんな。怖い怖い
いろんな世界へ触れる楽しさ

 

『私が絶望しない理由―激白。あの有名人9人の土壇場、修羅場、正念場』河合薫
極限状態が訪れたとして適切な心のコントロールが出来ないと、ならずの底ですよね。
現状を受け入れて確固たる自分の志を見失わない。人生を好転させる


『推し、燃ゆ』 宇佐見りん
誰しもが何かに嵌り
その全てを受け入れることが出来るのだろうか?嵌った甘美で満たされた理想の推しとの
幸福な世界の崩壊を想像すると滅びの美学。

 

『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 著:福井県立図書館
感心さえしてしまう程の数々のタイトル間違い
間違えそうなことを察する検索能力は
グーグル検索以上ですね。
司書さんの推察はお見事です。

 

琥珀の夏』 辻村深月
偏見と見えない社会カーストの中で
自分の居場所を無理やりに置き日々を生きてる。そんな現状ですがラストシーンに救われる思い。失いたくない大切なことが守られることに安堵。

 

『永田町動物園 日本をダメにした101人』 亀井静香
レジェンド政治家との駆け引きは話は興味深く今ならコンプライアンスでアウトなこともあっさりと語る。リアルな政治劇場

『わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か』平田オリザ
自分を頑なに貫くよりも
表現や演じる能力の方が人生を楽しくさせる。楽しく生きるってことに繋がる

 

『野良犬の値段』 百田尚樹
本音と正義。
それぞれの秘めた滑稽な正義
社会でステータスのあるとされる地位の人物でありながらも下世話な価値の喪失は面白いしラストは痛快
人としての価値の存在が確りと心に残る。

 

『顔のない裸体たち』 平野啓一郎
顔は無くても投稿する人の存在するリアルさ
この虚構と現実の境界が崩れ一致した時
危うい心はどこで止めることが出来るのだろうか?面白いIfでした。

 

『孤独のすすめ - 人生後半の生き方』 五木寛之
回想することを肯定し、幸せに思うこともよいって生き方。
上に向かってじゃなく来るべくことを肯定し
そういうことを考える時に来ていると思う。

 

ブラックボックス』 砂川文次
日常を繰り返せるタフさ
それぞれがどう心でどう処理してるのだろうか?「変わることを認めることはできるのか?」平穏に暮らせる鍵かも知れない
 
『家康、江戸を建てる』 門井慶喜
江戸開発は日本史上最大のプロジェクト。
歴史に名が残らない職人や代官や請け負った人々の技量や才覚あっての成功
人知れずに街に刻まれた想いってあるなぁ

 
『疲れないカラダ大図鑑』 夏嶋隆
動作の癖が原因。
身体の仕組みを理解し所作で改善出来る。身体の骨格や関節筋肉の繋がりを動きに落とし込むとなるほど無理なく力を使えるものですね。改善へ一歩。

 

『愛なき世界』 三浦しをん
世界を探求する姿は愛なんですよね。
振り向かない人の世界観を見つめて
心傾けるってのも愛だし
愛なき世界と思われる世界は実は愛に満ちてるものです。

 

『そういうふうにできている』 さくらももこ
何だか映像が浮かんでクスりと笑えるなぁ
独特の視点は天才大喜利
日常にある面白い時間ってのを再認識させられる
思い出しても愛おしい日々って素敵

 

『人間の煩悩』 佐藤愛子
ジェネレーションギャップを感じない言葉はやはり人の核心
逃れられないならば、進んで取りに行くぐらいの心持は大事ですよね
人の煩悩ってその人を造る個性、肯定的に付き合い生きて行きたい


『チュベローズで待ってる AGE22』 加藤シゲアキ
目まぐるしく変わる混沌の中で
もがいた後に何を掴むのか?
人生を進めるのは一見無駄な様でそうではない。神に試されてるのかもー。

 

『チュベローズで待ってる AGE32』 加藤シゲアキ
誰もが過去に影響を引きひきずって生きる。
人間て独立して生きてる様でそうではない
互いに引き寄せ反発する引力ってあるもので、人の放つ因縁を考える

 

『イルカ』 よしもとばなな
人との距離感って非常に難しい
共に何がお互いにとって心地よく幸福なのか?
距離感って無数の解がありますもんね。
模索するのが人生なのかな
心と心の繊細な関係に安堵し救われた。

 

『日本人の闘い方』 齋藤孝 
何か精神論って日本っぽいですね。
しかし志を忘れないってことは勝つことと同じように重要ですよね。
バランス感覚を持って戦う。
人の生きる道を説く
脈々と流れる元来の日本の志を感じる本書

 

『世にも奇妙な君物語』 朝井リョウ
奇想天外なオチとか微妙な怖さ
このゾワってのが、短編でそれぞれにカラーを変えながらも巧みに表現されてるって本家への挑戦状なのかも
ゾワゾワの出来はお見事。
 
ラッフルズホテル』 村上龍
 非現実的な幻想のような世界に漂い
妖しい美学の虜となり
操られるように消え去る。
刻々を時計は刻まれる世界と無縁の
曖昧に広がる幻想の世界は夢のようで甘美。

 

『変な家』 雨穴
間取りから想像する人の営みと疑惑から話は深まり、情報を得て推理は加速。
おどろおどろしい情捻ではありましたが・・。
図面から隠された謎に想いを馳せるミステリーは楽し。

 

田宮模型の仕事』 田宮俊作
田宮模型を世界のタミヤまで育て上げた田宮俊作さんの模型愛溢れるエピソード
模型への拘りと経営
いろんな困難の中で次へのステップに進める力って根本は模型への愛なんだろうな。

 

『涙はきっと明日の喜びになるから』 宇佐美百合子
何でこんなことが!?
どう考えるのかで人生は大きく変わる。
幸せになるような考え方をする選択
受け入れ人への愛溢れる選択が多くの幸せへ繋がる

 

『ミス・サンシャイン』 吉田修一
人との出会いは人を変える。
生きるべきと思われた人の死と残された者の人生
明日を共に生きてゆくことが全て
鈴さんと幼馴染も
一心と鈴さんも
静かに素敵な時間が流れて行く
 
撃墜王』 P.クロステルマン(著) / 矢嶋 由哉 (翻訳)
何が人生を左右するのか?
ちょっとした気付きや閃きが命を救う
戦闘機乗りの孤独と失望
果てしない戦いにある苦悩
リアルな記録は戦争を現実的にさせる。

 

『六人の嘘つきな大学生』 浅倉秋成
元々、就活自体が公平なものなのか?
観測者で可成りの違いですし
そのような心理を巧みに使って
ラストへの伏線回収
見事な仕掛けを考えたものですね。
 
『わたしの美しい庭』 凪良ゆう
言葉にならないような感情の鱗片
”思いやり”のつもりが
人を無邪気に傷つけたりもするけど
人に心救われるたりもする
美しい庭を手入れするように
心を込めて心を扱いたい
 
『猫に学ぶ いかに良く生きるか』ジョン・グレイ (著), 鈴木晶 (翻訳)
来ても居ない未来を憂う
人は哲学や宗教によって安寧を得ようと模索
しかし、猫は”今を生きる”
自由さに人は魅了される

 

『夜の道標』芦沢央
突然闇に浮かぶ道しるべを信じるべきなのか?
疑い、迷いながらも生きる為に進む。
そんな信条がリアルで丁寧に描かれてて
人間ドラマとしても秀作 
彷徨った時道標を頼りに生きる

 

田宮模型をつくった人々 伝説のプラモ屋』 田宮俊作
何か引き寄せる力がある
戦国を生き抜いて栄光を掴んだ男には
熱い志と哲学の物語がある
今も健在なレジェンドの半生はユニークで引き揉まれる
 
『日本をダメにした新B層の研究』適菜収
B層を動かすプロパガンダマーケティング
雰囲気で批判が巻き起こり急激に力を増す。大事なポイント
都合の悪くとも、真実を受け入れて改革しないと国は亡ぶ

 

『凄い!ジオラマ』 情景師アラーキー
思わず見入ってしまう。
細やかな世界に想像膨らむ
物語とシーンは情景師って言葉がまさに嵌ります。知らなかった細やかな視点を変えて世界を楽しむ。
 
『正欲』朝井リョウ
「あってはならない感情なんて、この世にない。・」
嫌悪するような感情をも認めることが出来るのだろうか?突きつけられた感情
目を逸らさずに向き合いたい胸に刺さる物語
 
『知られざる幕末の改革者 河井継之助』稲川明雄
強烈なリーダーシップと囚われの無い改革の発想と視点
それを実行する力を発揮し、人を動かす人間力なくしては出来ないことばかり
今、望まれる人財

 

『にゃんこ四字熟語辞典』西川清史
豊かな猫の表情の瞬間で熟語に嵌る写真
それだけ表情豊かな猫生活なんですね。
映像で覚えると四字熟語も心に刺さると言うか
微笑ましい写真に厳つい言葉も何故か笑み毀れる。
 
『残りものには、過去がある』 中江有里
幸せのカタチって様々ですがそうならない事の中でも
誠実に生きて希望を持っていいのかな?って気持ちが心を温める。
身近な人の幸せを願いたくなる素敵なお話
 
『#真相をお話しします』 結城真一郎
崩れるアリバイと犯罪の動機
ワクワクって読み進める中で大事な要素ですが
激しく刺激される真相に迫る
ちょっとした所から綻ぶ人生と同じく
事件の真相も綻ぶも人かな
 
『心配すんな。全部上手くいく。』 ヒカル
何をやるのか?何になりたいのか?緻密な計算と読み、仕掛けを実行するエナジー
思考は刺激になりますし大きなポイント。
絶えず考える
言い訳の日常に喝を入れる

 

君は月夜に光り輝く佐野徹夜
自分の有限性を感じ、生きる事に思考を巡らせる。
誰もが日々全てを祝福と喜びに満たされた世界なんでない。
絶望的な苦境の中で見出す幸福
これこそ生きる純粋な祈りがある。

 

『星を掬う』 町田そのこ
引き出しに仕舞ったままの想いも多いな・・。
相手を慮り受け入れる気持ちにまで至れるかは
人生の大きな転機になりますね。
解釈が変ればその後の人生も変わる。