2008年の第61回カンヌ映画祭で「ある視点」部門審査員賞を受賞作品。
リストラサラリーマン、家族との不協和音の日々
奥さんの心に霧のようにかかる虚無感。
リアルなんですよね。
一軒家の明かりから漏れる光は弱く
普通の日常に潜む廃墟
やり直したい日常と後悔の時間
家での虚勢と偽りの権威とは
親父のビールを待つシーンにうまく表現されてましたね。
全編を通して香川照之の表現力って凄いな・・
彼の奥さんである小泉今日子は自分の弱さをや葛藤を思うと
痛々しいんですよね。
夜の海のシーンに広がる闇。
ラストのピアノのシーン
ドビュッシーの「月の光」がまた象徴的で
明日への希望と繊細で脆いが
堅い家族の再生を感じさせるシーンに感動のエンドロール。
思いがけないいい作品。
途中では人生の渇きに無性にビールが飲みたくなりましたけど・・。