日常の中のシーンを絵のように表現した片岡ワールド健在
40周年、7編の短編集。
片岡義男と聞くと切なく懐かしい
高校時代に片岡義男の世界に憧れて
単車に乗り始め
大学時代はあちこちを単車で旅した。
その原点は片岡義男の描く世界があったからなんだよなぁー
それを思うとひどく懐かしく切ない気持ちを胸を過る。
彼の描く世界は
所属性のない自由な個人と素敵なシーン
苦くもあるけど甘くもある緩やかに過ぎる時間
この短編「花柄を脱がす」にあった言葉
「・・かそけきもの・・」
日常にある”かそけきもの”への憧れの心って今もあるある。
オートバイから自転車へ乗り物は変わったけど
同じ魂を持ち続けてることに
自分でも飽きれるけど・・
変わってないのかも知れないとつくづく感じる
小説の話題からは反れたけど
このささやかな日常の美しくもあるシーンと個人の縛られない心は
健在なんですね。
この短編にはオートバイは出てこないけど
あの頃と同じ香りがするんだよね
憧れた素敵な世界は健在だな。
【収録作品】
1 せっかくですもの
2 固茹で卵と短編小説
3 花柄を脱がす
4 なぜ抱いてくれなかったの
5 エリザベス・リードを追憶する
6 ある編集部からの手紙
7 グラッパをかなりかけます