風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『悪人』

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腹の真ん中にズドンと来る作品だった。
主人公、清水祐一の孤独
同じような閉塞感に包まれ日々を送る光代との逃避行。
被害者の親父さんの悲しみと怒り
加害者を育てた祖母の挫折
それぞれの抱えきれないぐらいの人生の重さ
日常で表現できない不器用さ
それは映画の中だけじゃない
普段の私の生活にも
そんな人多い。
心を通わせられないリーダー
ボタンの掛け違う誠意のすれ違い
不意な言葉に苦しめられたり
逆に失言に後悔したり
そこにある失われた孤独や閉塞感・・・。
もちろん自分にもそんなこと沢山あるな・・・
だからズシンと腹に来るんだろう
この中でも輝く光代って何なんだろう?って考えてたら・・
田舎の冴えないコミュニティーに暮らしながら
大切な掛け替えのないものを見つけた強さと美しさこそ
本物の光を放つのかもしれない。
あの光は未来をも照らすものであると信じたい。

余談ですけど
この作品がすばらしかったので調べたら・・
やっぱすごい受賞暦ですね。
第34回モントリオール世界映画祭:最優秀女優賞[6]
第34回山路ふみ子映画賞:映画賞、新人女優賞
第23回日刊スポーツ映画大賞:作品賞、主演男優賞、主演女優賞
第35回報知映画賞:作品賞、主演女優賞、助演男優賞柄本明
第84回キネマ旬報ベスト10:日本映画ベスト・ワン、日本映画監督賞、日本映画脚本賞助演男優賞
第65回毎日映画コンクール:日本映画大賞
第53回ブルーリボン賞:主演男優賞
第34回日本アカデミー賞:最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演男優賞柄本明)、最優秀助演女優賞樹木希林)、最優秀音楽賞

なるほどなぁ~の受賞暦。
もう一つ余談ですけども・・
切なく苦しいけど人は生きて行く
親鸞の言う悪人とは解脱の出来ない人を悪人と称したそうですけど
そう言う意味では皆、悪人だよな・・。