風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『舟を編む』 三浦しをん

イメージ 1

新しい辞書『大渡海』の編集部に馬締光也は迎えられる。
馬締光也や同期の西岡正志、入社3年目の岸辺みどり
それぞれ主人公とする短編が連なる構成。

さて、一癖あるメンバーと格闘する辞書作りは・・。
変人的な個性的なメンバーだけど
言葉を愛して、辞書に懸ける思いはそれぞれ
その国で培われた言葉って先人が生きた軌跡そのものですよね。
日本語の繊細さはまさに日本文化そのものだし
フランスならば料理の炒め方の言葉だけで
何種類もるとか聞いたことがあります。
大事なものは何かよく表してるんじゃないかな?

話が逸れちゃったけど
そんな無限に広がる言葉に真摯に取り組み
試行錯誤しながらそれを成し遂げる。
その過程ではいろんな密度の濃い
何か・・・、そうかまるで人生そのものじゃんか!

自由な言葉ってものについてこんな言葉がありました。
「言葉は、言葉を生みだす心は、
権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。
また、そうであらねばならない。」

なるほど、創造を支えるツールであり
そんな言葉を本当の意味で理解することは・・
「・・日々移ろっていく言葉を
移ろいながらも揺るがぬ言葉の根本の意味を
本当に解釈することができるんですか・・」

生きていく中で広がる世界と同じように広がる言葉
そんな言葉の海を渡る
まさに『舟を編む』だね。


【参考】
2012年本屋大賞 大賞受賞作品。