風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

2015年 読書 アワード!

昨日の映画アワードに続いて
2015年読書を振り返る。

### ベストオブベスト ###
もっとも心を動かされた本 
『水やりはいつも深夜だけど』 窪 美澄
誰も気にしないような些細なことに
悩み、気を病むようなことってあるんですよね。
痛みに共感しながらも力強く生きてゆく姿は愛おしくもある。
そんな人生の機微を慈しみ、そんな人たちを称えたいって思える作品。

### 心を熱くしたぜ ###
海賊とよばれた男』 百田 尚樹
出光佐三だけじゃなくここに出て来る男の心意気と生き様が震えるぐらいカッコイイ!!
個の人生を超えた大きな使命と役割は錚々たる経営者列伝に語られてもいいレジェンドだ
この男と共に戦った名も無き勇者が日本に生きたことを考えるだけで誇りに思う。

### 心温か本 ###
『もしもし下北沢』 よしもと ばなな
明日を生きていく糧となる力の源とは何なのか?
ビストロの食べ物に癒され人の心に癒される姿は
自然に深く心に刺さる。
この世界観はここちよい。

### 衝撃本 ###
人工知能 人類最悪にして最後の発明』  ジェイムズ・バラット
多くの学者や経営者の見識者が警鐘を鳴らすように
「シンギュラリティー」(技術的特異点)に到達したとき
人の英知を凌駕し自己増殖する知能
人が神の領域である命を左右するようになるが如く
AIが人を左右することになるのかもー。

### マニアック本 ###
『全駅下車見聞の旅 日本の鉄道全線9600駅 』 杉原巨久
人生を通して打ち込める何かって
人生を豊かにするものですね。

### ベストエッセイ ###
『小さな幸せ46こ』 よしもとばなな
「・・それがどんなにちっぽけな自由であっても
 こんな幸せなことがまだ味わえるなんて
 すばらしいからこそ来年もこの世にいたいなと思う。」
これが最も心に残った一文。まさに象徴的。

### ベスト短編 ###
『誰かが足りない』 宮下奈都
誰かが足りなくてもいいじゃないか?明日を信じよう!
不思議にポジティブな気持ちが湧き上がる
文章の繊細さと健気だけど前に進む緩やかな感動

### ハードボイルド本 ###
長恨歌不夜城完結編』 馳 星周
 真剣な”もがき”が人には必要なものである
虚無の世界を窺う男の生き様

### なるほど本 ###
『開戦前夜 ゴーマニズム宣言RISING』 小林 よしのり
人の本質を突き
「人間は自分の信じたい事を信じる」と結ぶ心理
ナショナリズムを煽ると道を間違う」警告す
その一言は説得力ある漫画によって響く部分がある。



他にもアワードの値する心に刺さる本がありました。
言葉は言霊となり、心の陰日向となって行動は現実となる。
多くの心を突き動かされた言葉達
物語でしか伝わらない心
想像の先にある世界に夢をロマンに想いを馳せる。

以下エントリー作品。
『まさかジープで来るとは』 せきしろ, 又吉 直樹
又吉さんだけじゃなく頂く短いメールにも
センスだったりその人らしさって滲み出てるものですね。

『「潔い人」と言われる生き方』 門 昌央
美意識を自分自身で持つことって大事ですね
潔さの美その美しい生き方を実践するには
確固たる自分の価値観の構築そしてその実践だ。

『これからの「正義」の話をしよう』 マイケル サンデル
 広がる思考で心の地図も広がる今こそ正義を論じる時だ。

『叱られる力 聞く力 2』 阿川佐和子
冷静に叱り、叱られる関係を持てることって実はスキルが必要なんですね。

『モンスター』 百田 尚樹
心の呪縛と美を得た人間の先にあるものは何か?面白いですねぇ

『とんび』 重松清  形に見えない”愛”ってものの存在がはっきりと分かる。
人の世に生きることの”善”なるものを信じてみたくなる

『伝え方が9割』 佐々木 圭一
理論的に法則を当て嵌めると
クオリティを出せる言葉に変わる

『気になちょるモノ』 古田 新太/ 河原雅彦
 人の魅力って日常に滲み溢れてる。

新渡戸稲造 『武士道 100分 de 名著 』 山本 博文
  よりよく生きることが詰まってます。

『満願』 米澤 穂信 
 事実を逃れる為の恐怖が心理を揺り動かす。

『恋歌』 朝井 まかて
激動な幕末は当然ながら女の一生にも激動であった時代
凛とした生き様に感動。

さようなら、オレンジ岩城けい 
  この国の豊かさをしみじみ感じる。

『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』 みうらじゅん 宮藤 官九郎  
対談で印象的だったのが
「その人らしさってのは喜んでる姿みたら分かる」って意味の話
まさにココがこのお二方のツボでした。

ドラッカー『マネジメント』 100分 de 名著』  上田 惇生
経済を軸に書かれた人間のすべてだからじゃないかな。
「人こそ、最大の資産である」

アイネクライネナハトムジーク』 伊坂 幸太郎
誰もがこの愛おしい世界は一人ひとりが主人公
エンタテイメント万歳!

『プロフェッショナルマネジャー 』 ハロルド・ジェニーン
「本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをする」
とか一番はこれ
「人脈を築くにはパーティなんかじゃなく信用が大事」ってのが心に刺さりました。

タモリ: 芸能史上、永遠に謎の人物』  河出書房新社
考えたらあの年代の人って
ユニークで力強いし輝いてるなぁー
ここに秘密があるのかも?

『世界地図の下書き』 朝井 リョウ
逃げてもいいそこにある希望。
希望の前段階にある気持ち

『穴』 小山田 浩子
やっぱり人の妄想が恐怖を増し
妄想を膨らませる物語は
心を揺らしますねぇ。

『夢を売る男』 百田 尚樹
自意識を斜めから見ると
滑稽でもあるんですよね。

『元アイドル!』 吉田 豪
アイドルって壮絶すぎる
時代は彼女達に何をさせるのか?
十字架背負った殉教者レベルだったな

『遮光』 中村 文則
だから闇に落ち込むのではなく
だからこそ光が眩くとも遮光せず
輝きを渇望する心でありたい。

『地図入門』 今尾 恵介
この記号化された地図から地形を想像し
その場に立ってみた時のイメージを超えた自然と対話
楽しくない筈がない。


パスカル 『パンセ』  100分 de 名著 」 鹿島 茂
「・・人間のあらゆる不幸はたった一つのことから来ていると言う真実を発見してしまった
・・人は部屋の中でじっとしたままではいられないということだ・・・」

『雑誌の人格』 能町 みね子
思考や好みを考えると
なるほど人格のようにキャラクターが浮かぶ。

『キャプテンサンダーボルト』 阿部 和重 ・伊坂 幸太郎
テーマである”人生に大逆転はあるのか?”
この物語の大事なポイントですが
事件や人が出会った瞬間に
すべてのことが動き出す瞬間ってものがあるんですよね。

『マンタの天ぷら』 松任谷 正隆
「カッコ悪いはカッコイイ」
なぜか古い友人に会ったような感覚と距離
日常の等身大の日々を綴った
これこそIt's エッセイ。

『絶対に行けない世界の非公開区域99 ガザの地下トンネルから女王の寝室まで』 ダニエル・スミス (著),
ナショナル ジオグラフィック (編集)
世界史を考えるとありえる話ですよね。
薄っぺらなニュースの裏にある真実を考えるのも一考ですね。


『太陽は動かない』 吉田 修一
余計な事を考えずに
シンプルなアクションの世界に浸るのが
楽しむ極意かも知れないですね。

億男』 川村元気
キーワードとして"信じる"って言葉が出て来ますが
誠を信じる心を見失わないことは
億万長者に匹敵する財産となるのではないだろうか?

ナイルパーチの女子会』 柚木 麻子
最後に人間関係がどんな結末を得ようとも
それを糧にする貪欲さこそ、生き残る種となるのだろうねぇ。

『歩くような速さで』 是枝 裕和』
人の心を表現するのは
偽りのない心情を飾りっ気なく書いてるから
らしさがそこにある。
そんな気がします。

『「気だてのいいひと」宣言!』 香山 リカ
社会的な成功や金銭、損得ってものじゃなく
気だてのいい人こそ自分の求めるものだったな・・。

銀翼のイカロス』 池井戸 潤
言葉は好きではないのですが"正義"ってものを
逆境にめげず貫く人間が活躍し貫く姿と
その心意気に同調し、陰日向となる部下や仲間の存在の頼もしさ
倍返しに象徴されるシーンには胸の空く思いがします

『人は死ぬとき何を思うのか』 渡辺 和子/ 大津 秀一/石飛 幸三/青木 新門/ 山折 哲雄
それは死を考えることで生を充実させることと同意である。
そう考えるに至りました。
死を迎える為の本ではなく生を充実させる本でした。


『透明カメレオン』 道尾 秀介
ラスト5ページは凝縮され
畳み込むような流れと筆圧はよかったけども
結局そこに至る流れで半減し不満も積もる。
才能は枯渇するものなのか?


『野心のすすめ』  林 真理子
野心が人を大きく成長させることに異論を唱えることは難しい。
人生一度、周り見て何もしない人間よりも面白い
空気読み過ぎると思うタイプの人は読んだら刺激になるかも・・。

『火星に住むつもりかい?』 伊坂 幸太郎
闇は深くに蠢く組織がいるのかも!?
裏には、こう来るかってどんでん返しはさすが伊坂幸太郎作品。
いつもの巧みで巧妙な作品でラストへ繋がりスッキリ。
人は逃げ場のない世界にいながらも精一杯生きる。
エンターテイメントはこうでないと!

『君がいない夜のごはん』 穂村 弘
他にも印象的なのが
「死ぬまでに経験出来る食事の回数は決まってるのだから
一度でもいい加減なものは食べたくない」って部分で人がいたそうです。
人生の時間を食に対する尺度で測るってのがまた印象的

『NHK「100分de名著」ブックス 孔子 論語
2000年の時を超えても
色褪せることのない言葉
希望を持って生きることへ繋がる解釈
ここにある真理をいまこそ学ぶ時かも知れないな。

儚い羊たちの祝宴』 米澤 穂信
最後の行がまたキメルと言うかー?
落すと言いましょうか?
このラストが気になって、読み進めてました ^^;

『たぶん、おそらく、きっとね』 片岡 義男
この自由な世界観に憧れた学生時代
どこかに存在する心のままに生きる男に憧れる。