風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

2018 読んだ本ランキング  BOOKSアワード!

昨年もいろんな本によって多くの事を学んだなぁ
やはり本はすばらしいものです。

今年の読書をおさらいついでに独断と偏見にて賞を決定。

ベストエッセイから
エッセイが面白い人は物語も面白いの法則通り
ベストはこれ・・。
『毎日っていいな』 吉本 ばなな
私が毎日書いてるこの日記(ブログ)の目指すものが
このエッセイにあると言っていいぐらいのものでかなりリスペクトしてます。
吉本ばななさんが書かれてた言葉で
「すべての人の毎日が健やかで、小さな幸せに満ちていますように――」
って想いがひっそりと細やかに詰まったこのエッセイを開くと心も温まる。

ベストミステリーはこれかな
読みながら謎をあれこれ考えて推察する楽しさに・・。
『罪の声』 塩田 武士
また自分でこの謎を推察し、この物語のひとりとして自分も迷宮に迷い込む。
このプロセスのように読んでて引き込まれるのも心地よいものだったと再確認。
あの謎で終わった「グリコ森事件」の謎ですが
自分の中で解決するカタルシスは心地よしー。
スッキリとカタルシスを味わいたいならばこれ。

ベストハードボイルド
その世界の美学とロマンに嵌る
孤狼の血』 柚月裕子
ハードボイルドな一匹狼の昭和の男の凛々しさ
衝撃的なヤクザと警察内のスキャンダルや力学
男達の血みどろの闘い泥臭い昭和は何故かイカシテル!

ベスト啓発本
読んでてやる気が沸々と湧き起こり
スイッチが入る本のパワー恐るべし
『多動力』 堀江貴文
人付き合いに関してもストレートに効率を提唱する人間は
ビジネス的には真に真理を突いてるもの。
視点を変えて自分の生活や思考再考することで
もっと幸福に時間を過ごす事が出来る
沢山あるヒント、多動力でワクワクってのは大事なキーワードとなりました。

ベストドキュメント
丁寧にインタビューし驚愕の事実に感動すらしました。
『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』 鴻上 尚史
命令する者と命令される側の認識や解釈の差って鴻上さんが書かれてましたが
意味する目的が変遷して一人歩きする流れは今も変わらないものであり
指導者の理屈では真実は捻じ曲げられる。
本質を見抜くことを試みることをしないと繰り返すことになる。 
人の叡智があるならば、ここから学ばないとならない。

ベスト企画賞
新しいアイディアと構成さすがって作品に引き込まれる
『月の満ち欠け』  佐藤正午
遥かな時を隔てて想いを繋げる心地よさ。
積もり積もった想いの数々が走馬灯のように巡る。
間違ってしまった過去に救いわれる想いが昇華され到達する
これを心の浄化とも言うのかな。
曇った心に光射すような解放の時を迎えられたような物語。

ベスト思考
本読んで考えることは食べものを食べて消化するようなもの
考える切っ掛けになった本
『ある男』 平野 啓一郎
人と出会った時、過去は背景なく
公平にその人の今を見ることが出来るのだろうか?
自分はそんな事に支配されたくないと思いつつ
それを気にして影響されてるって滑稽ですよね。
どんな過去があろうとも
人を愛するのは、全てを受け入れることではないかな?

ストロマンス賞
やはり生きて行くにはロマンスは必要不可欠
そんなロマンスを感じた本
『どれくらいの愛情』  白石 一文
揺れる心と遣る瀬無い人生
戻る事は不可能なのに心は彷徨う
振り返る人生の分岐に想う。
人は立ち止まり来た道のりを時に振り返り考えることで
人生はより素敵で豊になるのではないだろうか?

最優秀賞
あらゆる要素を含んで昨年一番だったなぁ~って思う本。
『劇場』 又吉直樹
悔いても叫んで、祈っても・・取り戻せない時と言うものが
世界に平等に流れ、何もかも時に埋もれて行く。
あの何とも言えない深い海に沈んだような心を思い出す力作に感動しました。


以下エントリー作品。
本てなんて刺激的で楽しい幸福を齎すものなんだ!

『モダンタイムス』 伊坂 幸太郎
我々の悪意なき悪や悲劇の背中を押したりと
「善悪なんて、見る角度次第」であると鬼嫁の台詞もありましたが
人を俯瞰して観ない限り
そのことに気付かないものですよね。

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 若林 正恭
起点の閃きみたいなものがこのエッセイに書かれてて
思考の風を感じる素敵なエッセイだったなぁ
自分も旅し夕日を見つめ風を感じたいたい!そんな気分。

人工知能の核心 (NHK出版新書 511)』 羽生 善治
対局を前に人は局面においてイメージから入るらしいのですが
イメージするのはAIには不得意で全く違うアプローチで対局してることや
強くなるのは引き算の思考が加わった羽生さんの話など
そしてAIには恐怖がないことで、違った選択をするとかも興味深かったなぁ~
人類を超えるようなAIはきっといつか出来るであろう
それは人がAIを生み出した神になる時でもある。
そんな歴史的な時に生きてる間に出会いものだ。

ブラタモリ (2) 富士山 東京駅 真田丸スペシャル(上田・沼田) 』
この番組の影響かな?河岸段丘を想像したり
地形から太古への想いを巡らせつつ散歩することも頻繁にあります。
このディープな街歩きって深ければ深い程に面白いもので
そのヒントにもなります。

騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』 村上春樹
さて、物語の主人公である「私」と現実の自分は異なった人間でありながらも
スーッと心が繋がる感じ
あのシンパシーはどこから来るのかな
自分の心を後ろから照らす。
いいなぁーずっと謎のままでいいから読んでいたい。
心地よき世界への誘いは続く・・

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編』  村上 春樹
事実であるのか?虚像なのか?
儚くも確かに存在するものであるのだろう。
想像の世界への旅と冒険を堪能する世界に浸るのは心地よしー。
素敵な心の旅でした。

東京會舘とわたし(上)旧館』 辻村深月
幾多の時代を経て登場する人々同士が繋がる不思議。
立場や想いは違えども、それぞれの思い入れって人の心を熱くするもので
事を成し、繋がり、共に幸せを感じるこの空間。
人生を演出する舞台となる會舘の姿を想像するだけで
この會館を愛おしく感じる

東京會舘とわたし(下)旧館』 辻村深月
いろんな人生のシーンと共にある東京會舘と従業員の魂
人生を彩る素敵な場所の存在って素敵ですね。
ひとり、ひとりの紡いだ物語が未来に受け継がれ
歴史を作り伝説となる。

『京都ぎらい』 井上章一
基本洛中と洛外の概念があり
その枠外と枠内にて序列意識に支配されそれをベースに
”いけず”な物言いで返す会話。
それが良い悪いなんて別物で文化といいますか
京都には歴史的必然であるのでしょう。
そう理解すると見えない心の垣根を浮き彫りにし見えて来るものがありました。
さすが京都様!

『京都・花の寺めぐり』 山崎 しげ子
京都の歴史と共に生きる、四季折々の花
京都洛中洛外のお寺と神社の花の名所。
梅や桜だけじゃなく多くの草花の四季折々
一年を通じての名所のガイド
季節や場所で可憐に咲き誇る姿っていいものですね。

ブラタモリ 7 京都(嵐山・伏見) 志摩 伊勢(伊勢神宮・お伊勢参り)』 NHKブラタモリ」制作班
竹林や万葉から変わらない嵐山の美
お勧めとあった地に行って
ここにタモさんが立ってたのかって場所は感慨深かった。
想像と自らの目で見て空気を感じ
五感全てで感じたことで記憶の奥底に残ることの需要さ旅の醍醐味ですね。

かがみの孤城』 辻村 深月
「たかが学校」って言葉。
この閉ざされた七人に光射すような言葉ですね。
閉ざされた世界ではない時空を超えて繋がる世界
分かり合える人と巡り合える世界があるってことは
人生を生き抜く力になるはずだ。

『か「」く「」し「」ご「」と「』住野 よる
隠し事がこれまた誤解を生むもどかしさ
これまた生んだ誤解を乗り越えて関係が深まることもある
大人になっても人との関係って難しいもですね。
忘れてた青春のあの柔らかで繊細な心を思い出してみるもよしかな。

『人生は単なる空騒ぎ ‐言葉の魔法』 鈴木 敏夫
言葉によって思考し行動を起こす
ならば、その元となる発想の根源は言葉によって作られてるのだろう
鈴木さんもあとがきに書かれてましたが
過去に興味はなく、未来でもない”今”を大事に考えてると
名プロデューサーが時を刻み
爪痕を残すようなものを生み出すのは
絶えず今を楽しんでるからだと思う。


『青くて痛くて脆い』 住野よる
傷付きながら信じることや
信用や信頼の定義が微妙に自分の中で変わってしまった自分にハッとしてしまう。
悔いる主人公と自分の古傷がチリリと傷むように思い出す物語。


『眠れないほど面白い都市伝説〔驚愕篇〕――知ってしまったら・・・ 必ず、誰かに話したくなる!』  並木 伸一郎
現代社会の興味と願望が
何かのカタチで噴出したものかも知れないですね。
ユニークで恐るべき話は・・
誰かに話したくなるってタイトル通り
話したくなるネタにどうぞ!

『脳からストレスを消す技術 』 有田 秀穂
平常心を保つ環境を整える方法は大きく分けて二つ。
ストレス耐性を作る一つは「セロトニン」を高める「リズム運動」。
もう一つはたまったストレスを解消する「号泣生活」。
シンプルであって、なかなか奥深く
振り返ると自覚もあるし、これは理にかなったものなのでしょう。
少しの差が人生をきっと変える
いいヒントとなりました。

『天龍院亜希子の日記』 安壇 美緒
この現実の日々の中で「呆れた希望」って言葉が出て来るのですが
そこに至る話にも共感してそれを信じたくなる気持ちになる。
きっと多くの猥雑な日常に圧し潰されそうになりながらも
明日を生きて行けるのは、きっとこの呆れた希望が背中を押してくれるからなのだ。
希望が登場人物全ての人に御加護があるといいなと思える話でした。

『アナログ』 ビートたけし
「幸せな気持ちになんて、大切なものが一つだけあればなれるものかも知れない。」
この言葉が物語の全てなんじゃないかな
多くを望む時代に大切なものに気付く瞬間は素敵な言葉だ。

板尾創路ピエール瀧の考える文化 ハチ公はなぜ剥製にされたのか?』 板尾創路 / ピエール瀧
個性豊かなお二人の対談は異色でオリジナルの発想
芸能界でも異才のお二人にニンマリします。
発想への挑戦と言いますかね?
ヒントにも刺激にもなる対談って
2人が1+1じゃなく何倍にも膨らむ発想
こういう妙な部分を刺激する対談本っておもろい。

『ホワイトラビット』 伊坂 幸太郎
読者を楽しませるネーミングの遊び心や仕掛け
別作品に繋がる登場人物やら仙台やオリオン座、
レ・ミゼラブル」の一節だったり
ちょっとしたサービスが全編に満載で一言で言うならば
これが伊坂ワールドなんだろうな。
オリオン座を見ると物語をも思い出すかもな
ワンダーワールドに浸る幸せってある。

ブラタモリ 3 函館 川越 奈良 仙台』 NHKブラタモリ」制作班
四章の仙台はなぜ平地ではなく台地に城を築いたのか伊達政宗の地形マニア的街創り
地形から街作りを想像すると見えて来る世界もあるのですね。

ミシュランガイド広島・愛媛 2018 特別版』 
掲載の評価と自分の評価の整合性が気になるな
読むと店のオーナーの素性とか
よく取材してるものですね。
一定の水準や基準を元に書かれてるので
外れはなさそうですが・・
そういう店はお高いかな・・。
いつかは・・特別な日に行ってみたい

『バースデイ・ガール』  村上 春樹
短編と言えども村上ワールド。
物語の出来事を二度も三度も考えてしまう面白い作品
あの謎の老人に何をお願いしたのかな?
叶えられたか分からないってことは・・
まだ結果の出ていないことなのだろうか・・。
不思議な物語に浸れるだけで幸せを感じる本。

ジョン・レノンを信じるな』  片山 恭一
別れや凶弾により一気に世界が変わる喪失感。
価値の崩壊と心に生き続ける想い。
ジョンの歌を聴いてるとそこに答えがある
タイトルは『ジョン・レノンを信じるな』ですけど
私はジョンの詩を信じてます。 
主人公の彷徨い具合は忘れてた青春の痛みを思い出し、傷が疼きました。

『サラリーマン生態図鑑』 アコナイトレコード
サラリーマンを動物の種別として捉えつつ
行動様式を書物にするとこんな切り口になるんでしょうね。
独特の文化圏を持つ種族
サラリーマンは保護すべき文化財か!?(笑)

『ビジネスエリートの新論語』 司馬 遼太郎
働きながら迷い、収入を得て暮らしを営み
働くことにも楽しみや意義をかろうじで感じ
営みに未来を夢見ながら日々を過ごしてました。
この近代化してからの日本の労働者の弛まない歩みは
今までが間違いではない日本を証明してるものではないだろうか?
様々な形がありますがこれからも人は働き
そこにある種の普遍性があるならば
時代を超えた共感があるものだと実感するお話でした。

歴史街道 西郷隆盛 特集』
西郷もイメージではまさに今回の「西郷どん
犬を連れラフな格好で歩く気さくで豪快磊落
情に脆いって感じですが
この歴史を資料などで検証するこの雑誌では厳しい一面もあり
ラフな格好で人前に出ることもないそうです。
しかし最後は巻き込まれた感じもする西郷さん
魅力ある人の生き様はロマンと事実
人に人生を学ぶことは多い

『大泉エッセイ 僕が綴った16年』 大泉 洋
等身大で身近俳優、司会、劇団と多面的な才能ある彼は
いつも書いてるけど、エッセイが面白い人は小説も面白いものなのですが
ぜひ!作家と言う肩書も加えて貰って小説も書いて欲しいな。

ブラタモリ 6 松山 道後温泉 沖縄 熊本』 NHK「ブラタモリ」制作班
番組外でのコメントや地図をジックリ見ることで
より土地の背景や位置関係が分かり
より深く楽しめ二度おいしいこの番組。
沖縄の城(グスク)は石積みの城としては安土城より古いとか
写真満載で地図も多いこの本からまた妄想も広がる・・・。

蜜蜂と遠雷』  恩田 陸
「私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?」って台詞がありますが
神のみぞ知る行方。
自分にとっての音楽の存在を考える。
喜びと充実感のある世界は神々しい世界。
神の選ばれし者の音楽を聴きたい。

『上手な「悩みの整理」術』  諸富 祥彦
理解してるようなことも文字で読むことで心の整理が出来るもの
「悩みは解決するのでなく、上手につき合うことで消える」って所はまさにそう。
何をどうするか?よりもどんな心でそれに接するか?ですよね。
考え方次第で人生も変わるのだ!

ブラタモリ 4 松江 出雲 軽井沢 博多・福岡』 NHKブラタモリ」制作班
僅かな道路の曲がりだったり
川の痕跡や鉄道が敷かれた理由
そんなことを考えながら街を歩くと
楽しさ倍増しないですか?
街歩きが楽しくなるヒントが詰まった本に興味深々。

『あん』  ドリアン助川
何者になるのか?問われる世の中ですが
挫折や絶望した人の方が多いのではないでしょうか?
それでも幸せに生きる。
心の在り方こそが人生を価値あるものにすると核心する本。
相手の心情を察することって素敵な行為ですね。

『凶犬の眼』  柚月裕子
捜査のためなら、俺は外道にでもなる。
義を貫き厳しさ苦しさを乗り越える生き方は尊い
男のロマンと美学。

『広電と広島: 25車種298両、日本一の路面電車』 路面電車を考える会
路面電車と街の発展するストーリー。
全国各地で役目を終えた路面電車広島市内をそのままのカラーで走る博物館
電車好きのハートは熱い。
電車と街、電車からの風景まで変わって見えるもので不思議。

『シンプルに、いい気分で働き、暮らす―仕事と家庭のすべてをスッキリ大改革するコツ86』 宮沢 さくら
外部からの情報を頭で変換し感覚的に分かってることを定着するもの
人生を進める切っ掛けって
実は単純に背中を押してくれる存在だけだったってありますよね。
まさにそんな時に背中を押してくれる本。

『風が強く吹いている』 三浦 しをん
真摯に向き合い本気で取り組むことは人生をドラスティックに変える。
今、この瞬間から取り組むときっとその人にしか見えない世界がある。
素敵ですね。青春って

『村上ラヂオ』 村上 春樹
2000年なので18年前となるエッセイ。
デビューした「群像」新人賞の授賞式での「スーツの話」とかその時ならではのお話を収録
軽快なタッチでありながら一瞬深く短い文章は日々が楽しくなるエッセイ。

『うらやましい人生』 ミッツ・マングローブ
普通に憧れてそれを望んでたみたいですが
ミッツ・マングローブに限らず意に反することも多いですよね
人生って自分の意志で選んでるようで実は選ばれてるのかも知れないな。

『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』 西野 亮廣
彼の主張する未来や価値観は絶対的に存在し合理的
何となく意識せずにやり過ごして来た空気だったものが
視覚的に数字で分かり易く出来た所の功績は大きい。
新しき思考や関係性に刺激とヒントとなる本。

『「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜 』 ロジャー・パルバース
自ら考えを偽りなく実践する姿は誠
誰にも訪れる悲しみを乗り越えるには突如と襲う自然災害
今こそ宮沢賢治の世界が広く理解される時が来たのではないだろうか?
人に寄り添い共に悲しむことの出来る人間に私もなりたい。