振り返る2017年
出会った本に勇気付けられ楽しみ人生の血となり肉となりました。
ジャンルも多岐で優劣付け難いけど独断と偏見による読んだ本ブックアワード
◆大賞◆
素直にこれは良い
人生のわびさびと想いがそこにある。
『火花』 又吉 直樹
人って人に影響されつつ、出会う人の心に触れて
歩んだり、立ち止まったり
それぞれの道がある中でお互いが交差することもあり
人生って面白いなぁー。
彼らみたいな人達が真摯に生きてると思うと
この世界も悪くないなって心から思う。
素敵な作品でした。
◆感動賞◆
心が揺れた。ラストの爽快な感じもよし
『サラバ! 上』 西 加奈子
マンションからの風景は忘れてしまった今ですが
ヤコブと歩のシーンで思い出しました。
その絶望的な出来事から時が経つと
不思議と薄れ往く記憶のシーンが何ともほろ苦い。
特別な家族のようでありながらも
誰にでもある世界に心を揺さぶられる。
人は多くの衝撃的な出来事を乗り越えて
誰もがひとりの人間として成長するんですよね。
『サラバ! 下』 西 加奈子
姉の言葉。
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
心の拠り所となる信じるものの存在と
作品中に出て来る心を支える柱となる『すくいぬし』の存在は
人生を強く逞しく明日へ命を繋ぐ。
何を信じるのか
勇気と希望を与える心動かされる作品でした。
◆企画大賞◆
映画版でも設定した面白で印象的な作品
『「カエルの楽園」が地獄と化す日』 百田尚樹 / 石平
本のシナリオと現実世界がダブル展開。
あまりにも直球の核心を尽いたものなので危機感があるのかも知れないですね。
◆エッセイ大賞◆
「不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life」 伊集院 静
「誰しもがつらい時間と遭遇しているのが人生だ。
それでも懸命に生きていけば必ず、君に光を与えてくれる。
その時、君は、あの時間が不運だとは思わないはずだ。」
不運って思う瞬間があるが
例え短くともどんな状況であっても
本人が精一杯の生を全うするなら
それは不運でもなんでもない
幸福なのだって確信を持って思えて来ます。
男の力強さ。ぐっと来る言葉いいね!
◆エンターテイメント賞◆
どうなのるのこれ?ワクワクはエンターテイメントに必要
『僕が殺した人と僕を殺した人』 東山 彰良
彼らの人生を解釈することは
想像に過ぎないのかも知れないけど
必死に生きた結末がそうであったならば、悲しい事実に苦しくなる。
当時のその瞬間には分からなかった出来事から方向の変わる人生
人生って不可解で難解なものですが
それはそれであり、受け入れ突き進むものが人生なのだよね。
きっと・・。
◆自己啓発賞◆
アドラーは素晴らしい。
納得で発想の転換ある一冊。
『人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学』 岸見 一郎
やはり一番は目的論と因果論
理由に見出すとそこから抜けれないですからね。
自分は何の為にこの本を読んだのか?
これは只の知識とせず
体得して豊かな人生のヒントとしたい。
◆ドキュメント賞◆
イメージと背景、政治のダイナミズム
歴史に埋もれた力ってある
『天才』 石原 慎太郎
天才は一夜にして現れない
時代の持つエナジーと天才としか表現できない才能が重なった時に
奇跡は起こるんじゃないかな。
やはり日本の未来を託せるカリスマが必要なのだ。
◆好き作品賞◆
これは心に沁み情景を想像した素敵。好きですなこれ
『やめるときも、すこやかなるときも』 窪 美澄
「大事な人を大切にして貰いたいって気持ち」
相手を思いやる気持ち
大げさでドラスティックな仕掛けはないですが
誠実な生き方に癒される。
第二の舞台となった松江を丁寧に散策したくなるような作品。
◆心に残る作品賞◆
何か振り返って素通り出来ないものがありました。
賞を作るならば心に残るかな
『マチネの終わりに』 平野 啓一郎
「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。
だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。
変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。
過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
未来も過去も変わるのです。
素敵な恋愛は人生には必要ですね。
まだまだ・・あるんだけど・・
頭は言葉で物事を考える
言い換えれば言葉には人生を変えるぐらいの力がある
素敵な作品は人生を変える
今年もいい作品に出合いたいな。
以下日記にエントリーした作品。
『ブッダ 最期のことば (100分 de 名著) 』 佐々木 閑
南方の仏教側の「大般涅槃経」によって説かれた
人が他力ではなく自力でさまざまな苦しみを克服する仕組みは
そちらの方が自分に合ってるような気がします。
『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』 村上春樹
「僕らはあまりきちんとものを見てはいなかったんだな、ということだ。
僕らはもちろん毎日いろんなものを見てはいるんだけど、でもそれは見る必要があって
次々に巡ってくる景色をただ目で追手っているのと同じだ。
何かひとつのものをじっくりと眺めたりするには、僕らの生活はあまりに忙しすぎる。
タイトルにもなってる「ラオスにいったい何があるというんですか?」
何か在るのか分からないから
行くのであり感じるものを求め旅する。
『引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術』 豊田 圭一
一言で纏めるとー。
弱い点を意識することで同じことがあっても違って感じるもの
心を強くするにはそれぞれに意味を見出し
次に繋げることなんだと思うな。
変わりたいならば何かを変えないと変革はないもの。
それは自分のことでも同じ。
一歩、一歩、ヒントを活用してより楽しく生きたいものですね。
『美しい距離』 山崎 ナオコーラ
あらゆるものが変化する中で
距離を尊重しつつも
大切なのは物理的遠近じゃないものー
離れるから輝く本質が見えて来ることもありますね。
『ブラタモリ (1) 長崎 金沢 鎌倉』 NHK「ブラタモリ」
番組の好きなポイントである
街の歴史の痕跡を地形や歴史背景を考慮し推察と検証する工程が
宝物を掘り当てるように進む
納得の散歩は他の旅番組とは違うディープな世界。
この深さを持って街を歩くと面白さ倍増なんですよね。
『戦場のコックたち』 深緑 野分
新兵から古参と苦楽を共に彼らは生きる
様々な状況を乗り切り繋がる現代の世界はまさにミステリー
エピローグで老人となった主人公が友を想い続ける姿は心を揺さぶるな。
『羊と鋼の森』 宮下 奈都
試行錯誤しつつ、音と依頼者の人生に向き合う姿は
地道で真摯な生き方のすばらしき美しさををも感じる
この物語が多くの人に支持されるならば
この殺伐とした世界は変わるのではないかと思うぐらい
お勧めしたいお話しでした。。
『しんせかい』 山下 澄人
本当の方向感のない混沌
『夜を乗り越える』 又吉 直樹
自分と向き合う工程や人を深く観察する視点がないと
笑いも文学も作れないのかも知れないですね。
文学の世界が広がり
多くの人がその恩恵にあずかるならば
きっとそれは心豊かに幸せな夜を超えることの出来る人が増えるではないだろうか?
『たった一言で人生が変わるほめ言葉の魔法 』 原 邦雄
”褒める”そんな視点で物事接すると
八方塞がりに思えた人生も開ける切っ掛けになるかも知れない。
身に着けてるとかなり強力なスキル
これはお役にたちますよ。
『使える脳の鍛え方 成功する学習の科学』 ピーター・ブラウン / ヘンリー・ローディガー / マーク・マクダニエル
人生を最も左右するのは
自己肯定に裏打ちされた意思と自制心にあり
「結果に注力する人間はリスクを避ける」
「学習に注力する人間は失敗を恐れない」
って部分が感銘を受けました。
『海の見える理髪店』 荻原 浩
そんな主人と客の髪を切る時間での語り
哀愁のある人生とは積み重ねでしか
築くことは出来ないものですね。
時が癒せない記憶に絡まった人の心を解すには切っ掛けが必要なのですね。
そこに必要なのは勇気が未来へ繋がる。
それぞれ人生に哀愁ある作品群
日々の暮らしに
心に耳を澄ましたくなる短編集でした。
『四月になれば彼女は』 川村 元気
「あのときのわたしには、自分よりも大切な人がいた。それが、永遠に続くものだと信じていた。」
誰しもが二人の未来を疑わないかったのに
願ったようにならない人生って誰しも経験しますよね。
愛って人生の永遠のテーマですよね
想いを遂げなくとも想いは残りますし人生の宝物に生り得る。
『よるのばけもの』 住野 よる
「大人になれば、少しは自由になる」
言葉のように少しは自由にはなったけど
結局、会社の中でのカーストは確りと存在し
日々、細やかな矛盾と格闘する毎日は続くことになるとは何ともな現実
ラストシーンの勇気胸に刺さった棘が少し抜けたような気分でした。
『何様』 朝井 リョウ
それぞれの分岐となる就活と選んだ側も迷いや日常もあったり
当然なのですが、まさに”何様”なわけで
自意識が邪魔する日常の行きつく場所
そこでまたドラマティックな物語が生まれるものかな
『われわれはいかに働き どう生きるべきか―――ドラッカーが語りかける毎日の心得、そしてハウツー 』 P.F.ド
そこにあるものは人類にとっての宝であり
解かれた程式は普遍である。
すばらしき人類への指南書となりうる本だと思うな。
『ラプラスの魔女』 東野 圭吾
微妙な心の動きを科学と融合する辺りはさすが
人の謎がラプラスのように解けるならば
人類は別の一歩を踏み出し
新しい世界があるかもー。
『i(アイ) 』 西 加奈子
アイの親友の美菜からの手紙は泣けたなぁ
その中にある人を思いやる気持ち
違った立場で見つめる親
結婚相手の裕
それぞれの愛があって
アイは再び歩き出す。
人は想像力を持って
他者を愛することでより深く人を愛せるのだ。
『スティグマータ』 近藤 史恵
「走ってる時は頭が透明になる気がする
なにも考えなくなるのではない、いろんな考えが、風のように吹き抜けて通り過ぎる
・・・忘れていた記憶が蘇る
まるで走ってるときだけ、現実や不安から自由になれるかのようだ」
途中の文章を端折りましたが
この感覚は自転車乗り”あるある”
読み終えて、今年のツールに想いを馳せる
世界が広がる本でした。
『5分後に思わず涙。 世界が赤らむ、その瞬間に』 桃戸 ハル
涙にも様々あるものですね。
嬉しかったり
悔しかったり
怒りもあるし
不安も安堵もある。
ちょっとした待ち時間や気分転換にほっこり
『 さよならの力 大人の流儀7 』 伊集院 静
残されたものがそれを糧に今を生きるってことが
彼らへの生を精一杯生きた良いものとし
共に生きることが
彼らの生きたかった今へ繋がるものだと思う。
『コーヒーが冷めないうちに』 川口俊和
自分もあの人に合えるならば
伝えれるならば・・。
想いを馳せる。
諦めてた人の心が繋がる奇跡を喜び
今、会える時に伝えたいことを伝えれる幸福を思う
『アラマタ人物伝』 荒俣 宏
時代を問わず人って奇妙で興味深い。
ルールに沿って生きるだけじゃ収まらない器の人が時代を進める。
これは時代の必然なのか?
人が時代を変えるのか?
分かりませんがユニークな人が出て来るものですね。
『ねこのおうち』 柳 美里
生の流転の中で繋がる命
見えない絆の存在
生きるって本来大変なんだよなぁ・。
その中にある絆に一筋の光明を見たような物語。
『 コンビニ人間 』 村田 沙耶香
世の中、迷い誰の価値観で何の為に生きてるのか?
分からない人って多いんじゃないだろうか?
それを見つける旅が人生とするならば
主人公は旅の目的地を見つけた分けで
素敵な生き方ですよね。
『これからどこへ向かうのか』 鈴木邦男
大事なのはどちらもの意見に対して敬意を示すこと
カテゴリー化しないムーブメントこそ日本の次世代を切り開くのには不可欠であると私は思います。
『ネコを撮る 』 岩合 光昭
人と共に暮らす猫の世界は
別世界なようで、密接に関係し
そこにはその家なり地域での物語があるものですね。
それを想像しながら・・写真を見ると
何か違った物語が躍り出す。
『成功者K』 羽田 圭介
これは事実なのか?創作なのか?
危うくてスキャンダラスな所を狙って書いてる所は
メディアに出てる羽田圭介さんでしか書けない物語。
自身をネタに現実と想像の巧みな構成が〇。
『帝国軍人の弁明: エリート軍人の自伝・回想録を読む』 保阪 正康
世界は進歩してるようで同じ事を繰り返す。
我々が出来ることは
先人の残した知恵を生かし
未来の糧にすることで
よりよい社会を築けるのではないだろうか?
『空想科学読本Q』 柳田 理科雄
想像は科学の第一歩ってサイトに書いてたけど同感です。
違う視点と好奇心と想像力を掻き立てられるオモシロ本でした。
『みかづき』 森 絵都
それぞれの人生と同じく難し問題を
この物語は親子から孫までの三代で変遷を描き
自分のリアルな人生とも重なる。
教育をテーマにして人生の大河ロマン
時代や方向性の変遷が興味深く
成すことを先にあるシーンが
心の忘れてた部分を刺激し世界に浸りました。
『蘇える変態』 星野 源
そこで感じた、何気ない日常の心のエロつぶやきがこれまた面白く
楽しませるエンターテナーとしての星野源の存在が象徴的であった。
誰にとっても、どんな状況に陥っても自分の人生を受け入れて楽しむってことは必然であり
それを楽しむ極意こそが、人を引き付ける源なのかも知れないですね。
何気なく素敵な人ってことが溢れるエッセイの秀作でした。
『旅の人、島の人』 俵 万智
エッセイの中で俵さんの言葉。
「子供の成長とは自立だと思ってたけど
助けて貰える人間になることが
人として大事なのではないか」と書かれてましたが
なるほどなぁ~と感銘を受けました。
この島での暮らしや人とのふれあいが
価値観の変化を齎したのではないだろうか?
島での暮らしは心を変え、人生に影響を与えるものですね。
『筋トレをする人が10年後、20年後になっても老けない46の理由』 久野 譜也
この本には言葉を変えて繰り返し、筋力の強化維持の効能が書かれてて
その効能もダイエット・不眠症・身体の痛み・しびれ・関節・頻尿・免疫力アップ・高血圧などなど
すべてに効果アリと書かれると読み終わる頃には
すっかりマインドがそちらに向かうのは間違いなし!
効果を頭で理解し気持ちを向かわせる
その気持ちが最も大事であり
それあっての実行が老けないコツなんだろうな
やっぱ筋トレ前の動機付けやモチベーションって大事ですね。
そんな心をも刺激することも期待出来る本でした。
『夜行』 森見 登美彦
象徴的な謎の女の言葉
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
光と闇、闇の世界に囲まれた昼
一歩違えば、パラレルワールドへの道に迷い込むかも知れないですね。
おぉ~鳥肌立つような不思議な気持ちを楽しもう。
『教団X』 中村 文則
宗教に依存するならば、絶対的な教祖の思想があって救われるものだと思う。
この絶対的なものを運命と呼ぶならば
その運命に贖いつつも翻弄される姿は人類のそれだと思うんですよね。
人って信じたいものを信じるもので
ここにある物語に見出す結果も実は自分の信じたい物語なのかも知れないですね
『スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km』 小口 良平
そのヒントに世界中で通じる“魔法の3つの言葉”って書かれてて
「こんにちは」・「ありがとう」・「うまい!!!」この3語でコミュニケーションの力。
旅への想いは人それぞれでしょうが
その中で出会った全てのものは人生をより豊かにするものですね。
『スウィート・ヒアアフター』 よしもと ばなな
そのときにするべきことをしているときの気持ちが大切って言葉もあったけど
まさに静かにゆっくりと生きること
そのまま自然体でいいんだって思うな
慈悲を感じ、それを慈しむ心を持って生き続ける姿に心安らぐって言葉がぴったりの作品。
『雑談力が上がる話し方――30秒でうちとける会話のルール』 齋藤 孝
「雑談力を身につけることは、強く生き抜く力を身につけることそのものなのです。」
話し掛け易いと多分思われてる自分でも実は人を意識し過ぎてたり
オチを気にしたり余計なことで委縮してた自分が情けなくもなります。
積極的な雑談で人生を好転させる切っ掛けなるのではと本気で思います。
『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ
運命と呼ばれるものが世界を覆う空のように
いつも自分の周りを囲み意識せずとも絶えず影響を与える力
最後まで、いや読み終わっても、しばし続くラストのシーンを想う。
微妙な感情の微妙な機微が心に深く入り込む感覚
『夜の国のクーパー』 伊坂 幸太郎
報道の偽りや人の噂の力、人は妄想にて不安を増長させ虚構が現実となる皮肉。
フィクションの方が現実にる虚構を鮮明に表現してて面白いですね。
『人は「話し方」で9割変わる 』 福田 健
「あなたが変われば相手も変わる」と言う言葉あがりましたが
まさに変化の相乗効果ってあるんじゃないかな。
早速、この本のヒントを会話で使ってみましたが
思い付きではなく、確りとした手順を踏んで考えることで
会話に窮することは少なくなる気がします。
何事も達人の教えはヒントになりますね。
知らない人と話すのが苦手なあなたへお勧めの本。