風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『フォルトゥナの瞳』 百田 尚樹

イメージ 1

他人の「死」が見える木山慎一郎は友人も恋人もいない。
孤独な人生を変える出来事・・・。

偶に考えるテーマなんですが
人の未来が見えたり死期が分かると人生をより良く切り開けるのか?

逆に心が捉われてしまい
冷静に接することが出来ないんではないだろうか?

このテーマの"If"に同じく
死期が見える黒田は引き換えに体にダメージがあるのに
何も関わるなそれは運命だからと言う。


その人の業であり
それは他者が強引に良かれと思うことが
裏目に出ることも世の中ありますよね。


バタフライ効果の話がありましたが
蝶の羽ばたきが台風になるような
そんな連鎖を考えると足が竦むなぁ・・。


この強力な仮想を納得出来るようなオチに結び着かなかったのは残念。
これだけ力量のあるエンターテイメントで読ませてくれる百田さんでも
難しいテーマだったのかな・・


なぜ彼女は愛してるのに引き止めないのか?
これにも繋がるのか・・
人の運命を左右することって見えないだけに
何がよく何をすべきなのか?


やはり謎であり
ある信条なしに関わるべきではないのは確かな気がするな。


自分の身を犠牲にしても信じる行動がとれるのか?
それが齎す結果はどうなのか?


なかなか面白いけど納得できない自分は
この主人公と同じく孤独なのかも知れない。