父の海外赴任先のイランで生まれた圷歩。
自由な母と変わった姉と共に海外で暮らす。
大河のようなそれぞれの人生はそれぞれに動き出す。
異文化での幼少期は衝撃的な影響もあるだろうし
それぞれの特異な事情や性格は人生に大きな影響もあるだろう。
しかし特別に感じないのは
幼少期の独特の密度や範囲から来る世界
これはどこにあっても同じではないだろうか?
印象的なのは
エジプトから帰国する歩とヤコブの別れのシーン
「サラバ」で繋がる数々の思い出
私も幼少期に引っ越しを経験し
当時の友達との別れは永遠の別れのように感じたし
絶望的な孤独観と最後の刹那な時間は今でも思い出せるな。
マンションからの風景は忘れてしまった今ですが
ヤコブと歩のシーンで思い出しました。
その絶望的な出来事から時が経つと
不思議と薄れ往く記憶のシーンが何ともほろ苦い。
特別な家族のようでありながらも
誰にでもある世界に心を揺さぶられる。
人は多くの衝撃的な出来事を乗り越えて
誰もがひとりの人間として成長するんですよね。
このほろ苦い成長から
さて、下巻どんな展開になるのか?
この家族の行く末が気になる・・。