風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』 村上春樹

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肖像画を生業とする「私」はある日、妻・ユズに離縁を申し渡され
山中にある友人の父親である日本画家・雨田具彦の家に仮住まいする。
その家では『騎士団長殺し』と題された謎の絵を発見し
アトリエを訪れる人々や敷地にある謎の穴があり不思議な世界へ・・・。

村上春樹主義者(本人がハルキストよりそう読んで欲しいと書いてたので)としては読みたかった本。
期待値も高く、浮き立つ心を胸にページを捲りました。

いつものと言いますかー
春樹さんの作品に登場するアナザーワールドや穴など要素を漏れなく含み
言い回しも春樹の文体に満足し安心する自分。

テンポもよく、謎と隠れた何かを感じさせ想像を刺激されつつ展開。
1、2巻で1000ページを超える作品ですが全くの中弛みなく
読ませる物語はさすがであり期待を裏切らにないものです。 


さて、物語の主人公である「私」と現実の自分は異なった人間でありながらも
スーッと心が繋がる感じ
あのシンパシーはどこから来るのかな


共感と探求の世界へと誘って
その謎の中で彷徨い行くのが心地よく時間は過ぎる。
まるでホームに帰ったみたいだ。 

自分と他者との関係はどこまで共有出来て、すべきなのがよい関係と言えるのか
真実と興味、謎と好奇心みたいなものが複合して合わさる中で
何に光を当てて見ようとするのか?

心にあるものが、そこに投影されるような影絵が
自分の心を後ろから照らす。

いいなぁーずっと謎のままでいいから読んでいたい。
心地よき世界への誘いは続く・・

次を早く読みたい!心が踊る。
いいなぁ~この歳てワクワクするってー。

別格にこの素敵な時間をありがとうって感謝の心が芽生えるのは村上主義者だからかな?