風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『パレートの誤算』  柚月 裕子

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生活保護受給者のケアを担当することになった牧野聡美
励ましてくれた先輩、山川が殺された。
多くの疑惑が浮上する中またも惨劇があり真相とは・・。

タイトルの”パレートの法則”ですが
この法則とは組織全体の2割が大部分の利益をもたらし
その2割を間引くと残り8割の中の2割がまた大部分の利益をもたらすようになるというもの
”働きアリの法則”と同じ意味合いでこれを社会に当てはめると

最近のニュースで虐待死を防げなかった児童相談所の話もありますが
舞台となった生活保護ケースワーカーって繊細でデリケートな難しい所
本当に困った人とそれを悪用しようと考える人間
またそこからまた吸い取る悪魔のような人間だったり
砂糖に群がるありの如く混沌とした現場。

取り方に依っては立場によって社会の仕組みを全体を阻害して
働くのを装って甘い汁を吸う悪の元締めみたいな人間が出て来たり
誰にもが公平で安定的な仕組みとは難しいものです。

生活保護に限らず働く現場にも国家間にも
スポーツの団体でもまさにこの法則は当て嵌まるもので
無くならないと思うと残念で仕方ありません。

だからこそこれに立ち向かう誠意だったり
職務を遂行する警察を含め彼らの心意気が際立つな。

ちなみにこの街って「孤老の血」と同じく柚木裕子さん作で
広島弁に瀬戸やロケーションの位置関係を考えるとまるで呉のお話かな。