風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『暴虎の牙』 柚月裕子

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孤狼の血」シリーズ第三弾。
時代は戻って、広島のマル暴刑事・大上章吾の駆け出し頃から始まる。
愚連隊「呉寅会」の沖虎彦と暴走族グループに暴力団との関係。
大上と部下となる日岡はどう戦うのか!?

映画化された一作目
孤狼の血』 柚月裕子
https://gotoblueseabicycle.hatenablog.com/entry/64499197

この続きである
『凶犬の眼』  柚月裕子
https://gotoblueseabicycle.hatenablog.com/entry/64645305

悪も裁量によって極悪を叩く小乗と大乗と言いますか
コンプライアンスだとか暴対法以前の時代

際立つ大上の存在で全ての社会状況を語るような流れですが
今回の沖って愚連隊の頭は何かに導かれたように繰り返す悪行

行き着く所で、それぞれが語る大上もそうなんですが
悲劇も暴力の渦の最中
全てを凌駕するような力

そこにあるものは正義でも悪でも、何もない。
亡びの美学だったり
理論的には理解を超えた内なる衝動の先に

叫びたくなるような熱き魂の叫びと言いますか
濃厚な世界に引き込まれる。

力って不思議な魔力があり、それを持て余し溺れるってありますね。