広島の戦前軍港宇品に置かれた、陸軍船舶司令部。
船員や工員、軍属を含め30万人に及ぶ巨大な部隊に1000隻以上の大型輸送船を有し
物流を支えた3人の司令官の生き様を軸に描き出すノンフィクション。
何故広島が原爆の標的となったのか?
昔から思ってた疑問を解く鍵も書かれてましたし
宇品の現在は想像も出来ないような状態ですが
大部隊の司令部があり、責任者である司令官の存在
なかなかの読み応えありました。
戦争遂行にあって大事な物流の輸送は
海に囲まれた日本には必ず完遂させないといけない任務。
そこに至る采配とそれを蔑ろにする中央
退役させられる司令官である田尻の人生と広島市の歴史
その後の日本の戦争の行方と象徴的なガダルカナル島
作戦継続や戦線の拡大に懸念を主張したであろう人間を
退役させる首脳陣
全てが繋がる歴史の何かに導かれるような流れ
それから現代へ繋がる歴史の糸って不思議
ひと事で言うならば運命なのか?に導かれる
敗戦は余りにも大きな代償でしたが
新たな未来へこれも一歩なのかも。