風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『天地明察』冲方丁

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日本独自の太陰暦を作り上げる
渋川春海の二十年にわたる歴史ロマンで
現代の話のように読みやすく軽快。
数々の栄光の賞を受賞した作品で紹介するとー
吉川英治文学新人賞、2010年本屋大賞第1位。
第143回直木賞にノミネートって作品。
しかし私はちょっと期待し過ぎたのかな・・?
ちょいと・・登場人物の奥行きに欠けた気がしますが
しかし読書の後味が良くて何だか爽快なよい気持ちになりますね。
時代物と言えば国取りや天下国家を中心に描いた作品が多い中
この作品は綱吉の時代の江戸で日本独自の太陰暦を作り上げる
天の御心を紐解きそのことに思いを馳せる生き方ってのは
地味ですが痛快で一本筋が通り
江戸版プロジェクトXだよなぁー
素直に算学とそこに至る努力に感動です。
そうした歴史に埋もれた人
いや、現代でも1億2千万のこの国の
人一人ひとりに物語があると思います。
日々にスポットを当て視点を変えることで
誰にでもヒーローになれる時が存在し
それぞれが自分の物語を生きてるんじゃないかな?
そんな気持ちを持てる
天の真理を解き熱い思いや憧れを感じるロマンの世界
そうかー生きるってロマンが必要なんだよな。