風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『十字架』 重松清

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あいつの自殺から二十年。
遺書で親友と名指しをされた主人公と片思いで謝られた彼女、いじめしてた二人
遺書には四人の同級生の名前が書かれていた・・。
第44回(2010年) 吉川英治文学賞受賞作品。

私の学生の頃
小中では”いじめ”があったなぁ
どちらにも加わることはなかったけど
過ぎ去った日々を振り返ると
過酷ないじめを受けてたあの子達の目には
自分はどう映ったのだろうか?

今まで思いもしなかったけど
主人公が大学を卒業し就職をし結婚をし息子が生まれ父親になり。
時は過ぎるが自殺された子供の親はあの時のまま
それぞれが背負った十字架長い旅。
それは切なく重い話ってよりも
何か澱が静かに落ちるような
そんな心境になりました。

こんな一文がありました。
「・・時間の感覚をほとんどなくしたまま、ひとりぼっちの十字架を向き合っていた。」

それぞれに背負った重荷を担いで生きる中で
真摯に思い悩み迷いながらも手探りで進んで辿り着いた丘の
十字架が眩いばかりに輝いていたから
そんな心境になったのかな?

今ならば正義を振りかざし糾弾することは出来るかもしれない
答えじゃない工程に真摯に意味を問う
自分の人生にも真摯に向き合うことが出来てるのだろうか?
時間を忘れるぐらいに真摯に・・。