長宗我部氏の家臣だった波川玄蕃の生き様。
義理人情の世界を波川玄蕃(はがわげんば)視点で読んで行くと
豪傑で知られる長宗我部元親が器の小さな嫌な野郎に思えるもんですね・・。
歴史は往々にしてどの立場で観測するのか?
悪にもなり善にもなるもの
何だか現代社会でもそうですよね。
完全なる善も悪もないもんね。
この作品では波川玄蕃が魅力ある人物に描かれ
家臣は固より雑兵や町民までも慕う
人物であるがゆえの
男の嫉妬ってものがあるんでしょうー
この玄蕃が長宗我部元親より
次々に無理難題に筋の通らない嫌がらせを受け
罠と知りながらも忠実に生き
家臣や一族を思う心についに自刃し
亡き後の戦いで家臣が弔い合戦となるも
何とも逞しく心強い話。
国や企業をあげて効率が重んじられ
数字が重んじられ損得の世の中・・
本当に大事なもの
心を打つものは何か??
亡き後も義理人情で結ばれたものは
いつまでも無くならないもんですよね。
この世知辛い世を生きるのに
もっとも忘れてはならないものがそこにある・・。