風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『二十世紀日本の戦争』 阿川弘之 中西輝政 福田和也 猪瀬直樹 秦郁彦

日本は多くの戦争を経て今がある。
日露戦争第一次世界大戦、シベリア出兵、満州事変に端を発する日中戦争、太平洋戦争。
大戦後も朝鮮戦争ベトナム戦争湾岸戦争と・・
阿川弘之 中西輝政 福田和也 猪瀬直樹 秦郁彦を向かえ
日本の戦争を正面から考える。
文芸春秋読者賞受賞。


最近も維新の会の橋下代表が叩かれてるけど
あの程度の発言を大問題のように報道して
これって選挙対策なんだろうなぁーなんて裏を勘繰りたくなります。
国内でさえ報道が真意を捻じ曲げ偏向報道されるのに
戦前はどうだったなんて容易く想像出来ますよね。


現代の世界も経済や力を背景にした
世界の正義は露骨さはなくなったものの
戦前の体制そのままではないでしょうか?

本文にこんな記述があります。
「直前の「ハルノート」の理不尽さに憤っていたからだが
途中まで妥協が成立する望みもあった対米交渉(対日禁輸解除交渉)が
ハルノートで一挙に暗転したについては
米国から妥協的な方針の事前協議を受けた中華民国蒋介石政権)の
猛烈な巻き返しや英国(チャーチル)の後押しがあった。」

当時から続く
戦略が渦巻く世界の中で
何があってどんな選択肢があったのか?またはなかったのか?
戦略的に嵌められ今もいいように扱われる日本
日本の常識は世界の非常識とも言われますが
ネットで一瞬に世界に広がるこのグローバルな時代にあっても
なぜ?日本のリーダー戦略に長けてないのか?

それは教育と言うものに端を発してるのだろう。
本文にあったんですが・・
「物事が宙ぶらりんでどっちにも決まらない状態が延々と続くことが
人間の魂をいちばん参らせてしまう。
そして宙ぶらりんの状態がどちらかに決したときに大変な気持ちよさがそこにともなう。

イギリスのエリートたちは物事がどちらにも決まらない気持ち悪さに
延々と耐えなければならない、という教育をされている。
残念なことに日本にはそういうエリート文化がなかったし、いまだにない。」

徐々に衰退するような流れの日本を今一歩
繰り返される歴史から再考し
何をすべきだったのか?
論客と共に国際紛争の最たる戦争と背景を考えると
現代日本の問題点も浮き彫りになりますね。
授業で決して教えない日本戦争史とても参考になった。