東京建電とその取引先の取引。
不倫OLや二番手の男、原島。
やり手、課長坂戸を訴えた係長の八角。
役員会が下した不可解な人事。
短編が8つ繋がる9人の主人公。
会議ってホント詰まらないことが多く
時間の浪費に思えて好きじゃないんですが
遣らなくてはならない儀式のようなもの
役回りもあったりして
怒りキャラの人が声を上げ
遣っ付けられる人が追い詰められる
現実がまるで劇場。
傍から振り返ると滑稽なものですね。
しかし物語の会議は深刻でありながら
現実は予定調和な進行に終始します。
国会もそうですが
日本のあらゆる会議ってそんな感じなのかな?
物語から話が逸れてるけど
取引の闇には何があったのか?
徐々に整合が取れて
謎が解けるプロセスはちょっとしたカタルシス。
不条理な社会がやけにリアルだけども
それぞれの短編に主人公によって
物語の輪郭が整い浮き彫りになることで
よりリアルに感じるものですね。
先に書いたそれぞれの個性の違いも背景があってのことなんでしょうね。
人の集まる社会ってものは
不条理であり報われない側面もあるけど
結び近くの言葉
「・・どんな道にも、将来を開く扉はあるはずだ。」
そうなんですね。
見えない会議、くすぶった時間の中にも
将来を開く扉はかならずあるんじゃないかな。