評判のレストラン『ハライ』に予約を入れるそれぞれのお客さんを短編として描く
それぞれのハライに行くまで抱えた事情とは・・。
初めて宮下奈都さんの作品を読んだのですが
他の作品も読み尽くしたい。
それぐらいの心地よさでした。
この物語は
偶然に10月31日午後6時に予約を入れる幾人かのお客さんを主人公とした短編で
それは認知症の症状になり薄れゆく記憶と老婦人と家族だったり
部屋の外に出られない青年と妹と友人だったり
人の失敗のを感じとってしまう女性とその能力によって救われたカップルだったりするのですが
彼、彼女達の苦悩の中からも明日へ向かう気持ちと
それに関わる人達の温かな気持ち
それぞれが一同に同じフロアに会するであろう場面を想像すると
素敵な空間を予感させて心地よい気持ちになります。
誰かが足りなくてもいいじゃないか?
明日を信じよう!
何があってもって思えるのが不思議にポジティブな気持ちが湧き上がる
文章の繊細さと健気だけど
前に進む緩やかな感動
気持ちのよい読書感でした。