演劇塾で学ぶため、船に乗って北海道へ
そこでは、俳優や脚本家を学びながら、自給自足の共同生活を営んでいた。
先生や同期、地元の知人と感情は揺れ動くが・・。
2017年、第156回芥川賞を受賞した。
唐突に終わる短編で、あれ?ここで終わりなの?ってのが第一印象。
次に収録された作品がそこに至る一日の話
そこでも、日々の混沌と諦めのような心境が
ぽつぽつと奇妙に淡々と進行する。
なぜ?こんなに奇妙なのか?
思考の揺れがツイッターのように断片的に書かれてるので
向かう方向感のなさに方向を見失い。
迷路に迷い込んだような不安感を覚えました。
どうなんだろうなぁ・・?
2017年、第156回芥川賞作品なので審査委員の評価が気になり調べてみたら
村上龍さんは酷評してるんですね。
他にも否定肯定で票が割れてたみたい。
同感です。
さて、内容に戻ると
実際に富良野塾の熟成だった著者が体験したことや
偽りのない想いが入ってるだけに
先生や住民の方を皮肉った部分は大丈夫なのかな?
心配にもなりましたがこんなケチな器の人達ではないですよね。
本当の気持ちを話にするから重みがあるし
混沌を含め、そこに説得力があるもの。
ここがこの作品の美点だな
本当の方向感のない混沌
これこそ”しんせかい”そのものなのかも知れない。