風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『劇場』 又吉直樹

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演劇の脚本を書く永田と出会った沙希。
夢を描いた二人の関係は現実にもがきながら向き合う二人の物語。

演劇をやりながら思うようにならない現実
演劇から離れるメンバーや資金難
世に認められた劇団への嫉妬とか・・
何を目指しても人生には降りかかるものですね。


そんな中で受け入れてくれる人に甘えてしまうって分かるなぁ。
過去自分の失敗が頭を過り

あの頃の切なさや純粋さに恥ずかしさと申し訳なさが入り混じった
何とも言えないあの時代の空気を鮮明に思い出した。

ラスト数ページ前のやり取りは
自分の過去との思い出が相まって感情が高ぶり
涙がジンワリと溢れました。

悔いても叫んで、祈っても・・取り戻せない時と言うものが
世界に平等に流れ、何もかも時に埋もれて行く。

あの何とも言えない深い海に沈んだような心を思い出す力作に感動しました。