風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『崩れる脳を抱きしめて』 知念 実希人

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実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性ユカリと出会い心を通わせていく。
ユカリの足跡を追う恋愛ミステリー。
第8回広島本大賞、第4回沖縄書店大賞、第1回一気読み大賞作品。

広島が故郷の設定で広島弁を文字で見ると面白いもので
頭の中で独特のリズムが生まれ
何とも親しみを感じるものです。

さて、物語ですが
脳腫瘍を患う女性ユカリと知り合い恋心を抱くものの
成就しないもどかしさと別れ
隠され、周りに偽装された謎に向き合う主人公

足取りと関係者の想いが明らかになると、より心情への理解が深まる。


この仕掛けがミステリーの醍醐味ですが
予想外のどんでん返しに加えて医師ならではの細部には医学的な側面といい
読みやすく、一気読み大賞に輝くってのも頷ける。