風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『雨の日のイルカたちは』 片山恭一

イメージ 1

短編が4つ入ってますが
それぞれに関係して繋がり
一つのテーマの作品になってます。
失われた時間、忘れていた事
そんな事を身構えずに軽く
しかし深く考えたりする作品
喪失と再生や死と生ってテーマは
誰しもが目の前にあるのに
正面から向き合い答えを出すには難しいテーマですね。
この作品にあった言葉で
「私たちはみんな幸福になりたいと思ってる。でも
   「幸福ってなんだろう」という問いにたどり着く前に
    幸福になりたいと思ってる「わたし」がわからない」
本質を見失った偽善って世界に蔓延ってますけど
自分自身にある偽りや誤魔化しも同じようにあるよね。
それが無い世界がなんてないって事も分かってるけど
「わたし」って何って問いを
そしてそれを追い求める事でしか巡り合えないもの
そんな事をさらりとこの短編には織り込まれてる行間を
ゆっくりと読みながら考えてました。
あのイルカは、今どこを泳いでいるのか…。
片山恭一いいじゃないですか!
違う作品も読んでみようかな。