自衛隊を辞め、自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは
ずっと遠くに行きたいと思っている。
不意に衝動にまたも襲われ・・。
第166回芥川賞受賞作。
日常を繰り返せるタフさってあるんだと再認識する。
本文に「・・・どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。
張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない」
ブラックボックスだと語られるんですが
そうですね。
それぞれがどう心でどう処理してるのだろうか?
昇華出来ることは稀であり、燻る思いは沸々と蓄積されるってことも多いものですね。
襲われる衝動を抑えきれず病になる人も多いのかな
思わず叫びたくなるような日常ですが
自転車のように回せば回すだけ目に見える成果って生きる証なんですよね。
自転車乗りの思考やパーツ、用語だけでも自転車乗りは楽しめる作品であるのと
この日常と「変わることを認めることはできるのか?」
これこそ平穏に暮らせる鍵かも知れない。