徐々に舌を裂いていくスプリットタン、背中に施される刺青
それを題材に奇を狙ったものではなく
この作品に漂ってる虚無感は
縁のないような私の生きる日常と不思議なくらいマッチする。
それは・・時代の持つ空気だろうか?
終わりがない日常に繰り返される日々
自分が暮らす場所はどこなのか?
よく分からない状態で深みに嵌り
堂々巡りな思考な時ってないですか?
それは上なのか下なのか?
光指す場所なのか闇なのか?
自分が何を望みそれが何をもたらすのか?
それが本当に得たいものだったのかさえ分からない・・。
そんなとてつもない刹那さを埋める何かを求める気持ちってよくわかる。
そんな空気漂う作品でもっとも印象に残ってる表現
「・・その終わりは地獄からの開放のようでも、天国からの追放のようでもあった・・」
ここはどこにあたるのだろうか?
第130回芥川賞受賞作品。第27回すばる文学賞受賞作品。