風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『対岸の彼女』 角田光代

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高校生の頃のような、全身で信じられる女友達はできるのか?
あの事件から・・交流とすれ違い。
第132回直木賞受賞作。

素晴らしい!今まで読んだ角田光代さんで一番だなぁー。
作品では限定された女同士のすれ違いや
夏休みに民宿バイトが終わっても家に帰る気がしなくて放浪する女子高生って話で
自分とはラップしないけども

男でありながら共感する数々のすれ違いとボタンの掛け違い
微妙な人間関係にあの頃は繊細で重い何かを背負いながらも
見ないフリして、ふざけてたあの頃。
今でも引きずった人との関わり
友情関係もそうなら、夫婦関係もそう
平気な顔しながら些細な一言が心の葛藤を生み出し
落ち込んで塞ぎ込むこともあったりしてね・・

年齢を重ねると人間って変化していくものなのに
代わり映えせずに何かに遠慮して何かを恐れている自分がいたりもする
それって何?
自分でもわからないけど・・
些細な何かや、傷つくのを恐れてるのだろうか?
全く忘れてすぐ開き直るくせになぁ・・^^;

この作品中のナナコはきっと、それからも幸せに暮らしてる
そして現在の葵と小夜子はナナコとの関係とは違い
新たな何かを築くんじゃないだろうか?
そんな予感がするな。

傷つくのを恐れてはいけないよね。
そうでしか人との関係は築くことは出来ないのだから・・。