
第2次世界大戦末期のアルプスの山間の村ヴェルミリオ
厳しい冬の中でシチリア出身の青年ピエトロが脱走兵として村に現れる。
一家の長女ルチアが恋をし結婚するも・・。
2024年・第81回ベネチア国際映画祭:銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞作品。
アルプスの大自然は、厳しくも美しい。
しかしその雄大な風景の中で、人々は決して自由ではない。
宗教の戒律、家のしきたり、共同体の目。
目には見えない枠が、人の生き方を縛っている。
人はどこまで自由を赦されるのだろうか。
ピエトロは戦争から逃げ、現実からも逃げ続ける。
ルチアはそんな彼を信じ、待ち続ける。
その対比が胸に重く響く。
次々と押し寄せる困難。
受け入れ難い現実。
それでも「信じる」とは何なのか。
濃密な家族の描写とともに
人間の営みを淡々と映し出す。
その静けさが、かえって残酷で、そしてリアル。
美しさと残酷さが同時に存在する世界で
人は何を選び、何を守るのか。