風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『オタク的想像力のリミット: <歴史・空間・交流>から問う 』 宮台 真司 (監修 ) 辻 泉(編集) , 岡部 大介(編集), 伊藤 瑞子(編集)

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社会学者宮台 真司さんが監修したオタクに対する考察と分析。

ざっと目次を紹介すると・・
【目 次】
序 今こそ、オタクを語るべき時である(辻泉+岡部大介)
第一部 歴史
第1章 オタク文化史論――「〈秩序〉の時代」から「〈自己〉の時代」まで(宮台真司)
第2章 なぜ鉄道オタクなのか――「想像力」の社会史(辻泉)
第3章 動物化するポストモダン――オタクから見た日本社会(東浩紀)*『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)より抜粋
第4章 嗤う日本の「ナショナリズム」(北田暁大)*『嗤う日本の「ナショナリズム」』(NHKブックス)より抜粋
第5章 参加型文化としてのアメリカオタク史(ローレンス・エング)
第二部 空間
第6章 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ(森川嘉一郎)*『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』(幻冬舎)より抜粋
第7章 コミックマーケット――オタク文化の表現空間(玉川博章)
第8章 ネットワーク文化としてのファンダム・イン・アメリカ(ローレンス・エング)
第9章 製作者vs消費者のあくなきせめぎ合い――ファンサブ文化にみる「ハイブリッドモデル」(伊藤瑞子)
第三部 交流
第10章 「少女文化」の中の腐女子(石田喜美+岡部大介)
第11章 コスプレイヤーの学び――文化的実践としてのコスプレはいかに達成されるか(岡部大介)
第12章 格闘ゲームのオタク・コミュニティ――彼らは何を「競って」いるのか(木島由晶)
第13章 アニメミュージックビデオを創作するピア・コミュニティ(伊藤瑞子)
最終章 オタクの「出現」から三〇年で理解は進んだか?(宮台真司)


こんな構成になってて
オタクの変遷ってものを紐解くとー
日本社会の変遷が解けてくる。


時代を切り取る為に
いろんなアプローチや視点によって
日本を捉える試みがされてますが

この視点はユニークでありながらも
頷けるいい所をついてました。

音楽にしても時代の変遷によって・・
音楽が何か「についての」表現だという感覚は急速に薄れ
かわりに「皆が知ってるか否か」「気持ちいいか否か」だけが評価されるよういなる
そして音楽は消費財になってしまった。ってありましたが
まさに同感であり

「現実」「虚構」との間の優劣差が薄れ始めた背景がある部分でも

スクールカーストにおいてはモテるものが最上位にくるとか
なるほどバンドやダンスはそういう意味では上位なんでしょうし
モテナイとされるオタクは下位に属するのかも知れないですね。

まぁ、カーストはどうあってもいいんですが
オタク研究、人間観察は時代分析は日本社会と縮図であり
未来でもあるんじゃないだろうか?

論理的で納得出来る学術にまで高めたオタク論は興味深い。
時代が見えて来ました。