風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『道徳の時間』 呉勝浩

ビデオジャーナリストの伏見は、ある連続イタズラ事件を追っていた。
その事件には、小学生の正木を刺殺した少年の存在が関わっているという。
 
少年は事件の理由を問われても、ただ一言
「これは道徳の問題なのです」と語るだけだった。
 
ばらばらだったはずの出来事が、どこか奇妙に結びつき始める。
 
誰もが「自分は間違っていない」と思っている。
しかしその正しさは、別の誰かにとっては、とんでもなく残酷なものになることもある。
 
本来、道徳とは人と人が穏やかに生きていくためのもののはず。
けれど「正義」や「常識」が集団の中で膨れ上がると、
それは時に、恐ろしい力へと変わってしまう。
 
人はなぜ、人を裁きたくなるのか。
なぜ、自分の正しさを疑わないのか。
 
人間の弱さゆえに築き上げた理屈や正義は、
果たして本当に“道徳”と呼べるものなのだろうか。
 
きれいごとでは終わらない、人間の本質。