風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『空中庭園』 角田光代

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深く内臓に蓄積する異物のように心の奥深くに来ますね・・
それぞれの視点で描かれた家族。
空中庭園って象徴的ですよね。
庭園っていうものの意味とまとまりに対して
個の不確定さや揺らぎのある日々
分かり合えたと思う幻想は
ちょっとしたボタンの掛け違いは
ボタンの無くなった最後に気がつくものなんですよね。
そこでどうするのか?
気がつかないふりをするのか?
そっと掛け直すのか・・。
こんな言葉がありました。
「・・愛することで愛されようとする、こんな身勝手な親でもさ・・」
他の章では
「・・・だれも憎んでいないのに、ぼくらは憎むことを知ってて
とくべつさみしくないのにさびしいってことがわかるんだろう・・・」
人は分かりあえるもの
だって悲しみも喜びも憎しみも皆持ってるのだから
そうして人は前に前にと受け入れ進む日々
そんな致し方ない日々ってものと・・
空中に浮かぶ人工的な庭園を思う・・。